きょうのNY為替市場は、前日のECB理事会後のドラギ総裁の会見を受けドル買い・ユーロ売りが加速。市場は12月のECB理事会で、量的緩和(QE)の期限延長を決めるとの期待を高めている。
そのような中、ドル円は上値が重い印象。ドル自体は堅調だったものの、豪ドル円やユーロ円などクロス円の売りがドル円を圧迫し、NY時間の序盤には103.50近辺まで値を落としていた。しかし、その後、米株が下げ渋ったこともあり、一時104円台に戻していたが、維持できずに103円台で終えている。
ここ数日、104円台に上昇しても下に押し戻される動きが続いている。心理的節目の105円を試す勢いもないことから、上値には更に慎重になっているものと思われる。目先は104.20と104.50付近が上値抵抗として意識される。
ユーロドルは一本調子の下げを続け、一時1.0860近辺まで下落。6月の英国民投票直後の安値をブレイクした格好となっており、3月以来の安値水準に下落している。
前日のECB理事会後のドラギ総裁の会見を受けて、市場は12月の量的緩和(QE)延長への期待を高めている。ただ一方で、足元の指標を見ると、成長はある程度水準が維持されており、インフレも6月以降プラス圏を回復し上昇の兆候も見せ始めている。
来年3月以降もQEを水準で続けなければならないという感じでもないことから、QEを縮小しつつ期限を延長というシナリオもリスクとして考えられそうだ。
なお、格付け会社DBRSがポルトガル国債の格付けを投資適格級に維持すると発表した。ポルトガルの格付けに対しては、フィッチもムーディーズ、S&Pも投資不適格としているが、DBRSだけが投資適格級に据え置いている。前日、ドラギECB総裁は投資不適格となれば、資産購入プログラムの対象として再評価せざるを得ないとしていたが、これでECBのプログラムの対象に踏みとどまった格好。
みんかぶ「KlugFX」 野沢卓美
Source: klug
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