【NY市場】トランプ会見控え、総じて様子見気分が強い展開

 きょうのNY為替市場はドルの買い戻しが見られていたものの、総じて様子見気分が強い相場展開となった。米国債利回りをにらんで短期筋の売買が中心となっていたものと思われる。明日のトランプ氏の大統領就任に向けた会見が予定されており、その内容待ちといった雰囲気が強かった。

 トランプ氏が選挙中に公言してきた大型減税やインフラ整備、そして規制緩和などについて具体的な言及があるか注目している。

 ドル円は115円台を上下動した。序盤は日本時間1時のロンドンフィキシングにかけて急速に売りが強まり、115.25付近まで下落した。東京時間の安値に並んだが、115円割れを試すことなく、昼ごろになると116.00付近まで急速に買い戻される展開となっている。ただ、今度は116円台を回復できていない。米株式市場でダウ平均が下げに転じたことも重しとなった模様。

 ドル円は今年の上値期待を高めている向きも多いが、現状ではトランプ氏の経済政策を具体的に確認してからといったところのようだ。

 トランプ氏が市場の期待通りに経済政策を打ち出したとしても、今度は素直に議会を通せるかがハードルとして出てくる。予算審議は主に下院だが、上下両院とも共和党が多数。ただし、米議員の場合、各自の主張も強く出ることから、日本の議会のように数だけが物を言うほど容易ではないことは一応、留意して置きたいところではある。

 一方、ユーロドルは売りが優勢となった。買戻しが入る場面もあったが、結局、1.05台半ばに値を落としている。ただ、心理的節目の1.05割れを試す動きは後退している模様。

 先週発表されたユーロ圏の消費者物価の上昇を受けて市場では、ECBの次の行動に注目が集まっている。ドイツからは早期利上げが要請されている状況だが、最も多いシナリオとしては、しばらくは資産購入プログラムを継続し、政治イベントを大方乗り切ったあとで正常化に舵を切るというのが多く見受けられる。年内には正常化に踏み切るとの見方が多く、時期的には9月を有力視している向きも少なくないようだ。

 来週19日に今年初のECB理事会が開催されるが、トランプ米大統領就任式前日でもあり、その程度表面に出るかどうかは未知数だが、消費者物価の上昇について協議はされるものと思われる。ただし、今回は現状維持がほぼ確実視されている。

みんかぶ「KlugFX」 野沢卓美
Source: klug

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