31日のロンドン市場は、緩やかにドルが買い戻されている。先週末にクリントン氏のメール問題についてFBIが再捜査と報じられたことで、ドル売りが強まった。ドル円は週明けのオセアニア市場で104.27レベルの安値をつけて取引を開始した。しかし、次第に買い戻される動きとなり、ロンドン早朝には104円台後半での揉み合いに落ち着いた。
ロンドンタイムには欧州株が軟調に推移、NY原油先物も48ドル台前半へと下押しされる動き。ただ、ドル円およびクロス円にはリスク回避的な円買いの動きはほとんどみられていない。ドル円はむしろジリ高となり、一時105.05レベルと本日の高値を更新した。一部報道では、クリントン氏の支持層がFBIの再捜査報道でほとんど影響を受けていないとの調査結果となっており、安心感を広げた面もあったようだ。
今週は日米に加えて豪州や英中銀の金融政策会合、さらに米雇用統計とイベントが続く。きょうは米個人所得・支出、米PCEコアデフレータ、シカゴ連銀購買部協会指数などの米指標発表を控えている。ロンドンタイムは様子見ムードが支配的となっている。
NY序盤にかけてドル円は105円ちょうど近辺、ユーロ円は115円ちょうど挟み、ポンド円は127円台後半での揉み合いが続いている。
この日発表された一連の英欧経済指標にはユーロ、ポンドともに反応薄だった。9月のドイツ小売売上高は前月比-1.4%、前年比+0.4%といずれも事前予想を下回った。ユーロドルは1.09台半ばへと上値が重かったが、ユーロ独自の売り反応にはつながっていない。ユーロ圏の第3四半期GDP速報値は前期比+0.3%、10月の消費者物価・概算値速報は前年比+0.5%といずれも予想と一致。9月の英住宅ローン承認件数は6.29万件と今年の低下傾向にやや歯止めが掛かった。ポンドドルは1.21台後半で、ユーロと同様に上値が重かった。全般にドルの買い戻しの動きになっている。
みんかぶ「KlugFX」 松木秀明
Source: klug
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