きょうのNY為替市場、序盤はドル買いが優勢となった。この日は米個人支出やPCEデフレータ、シカゴPMIなどの経済指標が発表され、弱い内容も見られたが、特にネガティブな反応も無かった。ただ、午後になってドル買いの動きも一服している。月末ということもあり、リバランスに伴うドル買いが一旦終了したためとの指摘も聞かれた。
また、週末にOPECが専門家会議で減産を合意できなかったことで、今月の総会での合意に懐疑的な見方も出ており、商品市場で原油は売りが強まった。米株や米国債利回りも上げを一服させる中、ドルも上値が重かったようだ。
先週末にFBIがクリントン氏のメール問題を再調査をすると伝えられ、ドル円は一気に売りが強まっていた。きょうの東京時間の早朝には一時104.25近辺まで下落していたが、日通し買戻しが入り一時105円台前半まで戻している。下値では日本の輸入企業や機関投資家の買いが観測されていたようだ。ただ、午後になってドル買いも一服したことからドル円も104円台に伸び悩む動きとなった。
メール問題の大統領選に与える影響は限定的との見方も優勢のようだが、あくまで選挙なので来週の投開票日までは未知数。市場はひとまず、行方を注意深く見守っている状況ではある。
明日からの日銀やFOMC、そして、英中銀を前に結果を見守りたい雰囲気は強い。ただ、いずれも政策変更は無さそうで、日銀展望リポートやFOMC声明、そして、英中銀インフレ報告に注目が集まっている。特に日銀展望リポートについては、インフレ見通しの下方修正や2%の目標達成時期の先送りなどがあるか注目される。
ユーロドルは1.09台前半まで下落していたが、午後になって買い戻しが強まり、1.09台後半に上昇。また、ポンドドルも1.21台な半ばから1.22台半ばまで上昇した。
きょうはカーニー英中銀総裁の去就に注目が集まっていた。総裁の任期は通常8年間だが、カナダ人であるカーニー総裁の招請にあたり期間は2018年までの5年間とされていた。カーニー総裁は任期を3年延長するかどうかの判断を年内にも示すことを明らかにしており、きょう、メイ英首相と会談している。
結局、任期が1年だけ延長され、2019年6月までと伝わっている。ちょうど英EU離脱までのスケジュールに合わせた延長となる。カーニー総裁がハモンド英財務相あての書簡で希望した模様で、英国がEUとの新たな関係への秩序ある移行まで経済を導くという。
みんかぶ「KlugFX」 野沢卓美
Source: klug
コメントを残す