【ロンドン市場】円買いが優勢、トランプ演説控えて調整

 28日のロンドン市場は、円買いが優勢だった。ただ、欧州株や米株先物は方向感に欠ける小動きとなっており、リスク回避の面はみられない。あすの東京午前に始まるトランプ演説を控えてのポジション調整が中心だったようだ。また、東京市場の仲値前後にみられたように月末を控えた輸出のドル売り・円買い手当てなどの流れが続いた面もあったもよう。

 また、日銀の発表が円高につながる面も指摘される。この日3月の日銀は3月の長期国債買い入れオペ方針を発表した。オペ予定日を明らかにすることで市場の過度の動きを抑えることを狙っている。そのなかで、市場では金額の減額が注目された。一部にはテーパリング観測も再燃してきているもよう。夜間取引の長期債利回りは上昇。日米金利差はやや縮小している。

 NY序盤にかけてはトランプ米大統領のフォックス・ニュースとのインタビューも報じられたが、インフラ投資や減税に関する具体的な言及はみられず。期待はずれで円が買われた場面もあった。

 ドル円は112.40近辺での揉み合いからジリ安となっており、NY序盤にかけては112.13近辺まで下押しされた。前日のNYタイムの上昇を解消する形となっている。序盤には東北地方で強めの地震が発生したことが報じられ、ドル円は20ポイント程度売りで反応する場面があった。クロス円も総じて軟調。ユーロ円は118円台後半、ポンド円は139円台前半、豪ドル円は86円ちょうど付近へと下押しされており、いずれも前日NYタイムの上昇を消した。

 この日はあす就任するホッグ次期英中銀副総裁が議会証言を行っている。EU離脱は英国経済が直面する最大のリスクの一つ、家計はインフレで収入の目減りに直面、消費動向が突然変化する可能性も、低金利は世界的な潮流、などとしておりハト派のイメージ。ポンドは、対円以外でも対ユーロでやや軟調な動き。

みんかぶ「KlugFX」 松木秀明

Source: klug

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