【ロンドン市場】リスク選好ムード広がる、OPEC減産合意期待で

 30日のロンドン市場は、リスク選好ムードが広がっている。この日最大の注目イベントであるOPEC総会が開催されており、減産合意への期待で円安やカナダドル高などの動きが強まっている。

 OPEC総会は朝食会を経て、現在本会合が継続中。そのなかで複数の石油相からの合意に向けた発言が報じられている。現時点では日量140万バレルと予想以上の減産で合意に近づいていると報じられている。NY原油先物は東京タイムの45ドル台から足元では49ドル台乗せへと大幅高。この動きを受けて欧州株や米株先物は堅調に推移しており、米債利回りも上昇。リスク選好の動きとなっている。

 為替市場では円安の動きが広がっている。ドル円は112円台後半から113円台に乗せており、ロンドン中盤にかけては113.50近辺へと高値を伸ばした。トランプ相場を受けた直近高値113.90レベルを再び視野に入れる水準となっている。

 この日はユーロ円の上昇も目立っている。119円台後半での揉み合いから120円の大台に乗せると、散発的にストップ注文が執行されたもよう。ショートカバーを伴って一時120.74レベルと6月23日の英国民投票の日の水準に戻した。ユーロドルも一時1.0667レベルまで本日の高値を広げた。ユーロ相場は週末のイタリア国民投票やオーストリア大統領選など政治リスクが意識されていたことで蓄積された売りポジションがあぶりだされた面もあったようだ。

 原油高を受けてこの日はカナダドルが急上昇している。ドルカナダは1.34台半ばから1.33台半ばへと下押し。カナダ円はリスク選好の円売りも加わって83円台後半から84円台後半へと上昇、5月31日以来の高値水準となった。また、対豪ドルでは再びパリティー割れとなっている。

 このあとのNY市場では米ADP雇用統計や米個人所得・支出などの経済指標が発表される。原油相場をにらんだリスク相場に加えて、米経済指標に反応する米債利回りにも注目したいところ。

みんかぶ「KlugFX」 松木秀明
Source: klug

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