【ロンドン市場】円売り優勢、欧州株反発やOPEC会合への期待で

 28日のロンドン市場は、円売りが優勢。序盤は通貨ごとにまちまちの動きで、ユーロ円やポンド円が軟化する場面がみられた。しかし、この日は欧州株が反発しており、次第に円安方向への動きに足並みが揃ってきている。

 連日過去最安値を更新したドイツ銀株が、この日は反発。非常時には政府が支援策を検討との一部報道や同行の資産売却の報道などが好感されていた。また、取引中盤にかけて、イラン石油相がきょうのOPEC非公式会合での合意に前向きな姿勢と報じられたことでNY原油先物が上昇しており、資源株を下支えしている。リスク動向の回復や期待感が広がっている。

 ドル円は100円台半ばでの揉み合いから再び円安方向への動きとなり、100.82レベルに本日の高値を更新している。ただ、このところの100円台でのレンジ取引からは抜け出してはいない。

 ユーロドルは序盤に1.12割れから1.1182近辺まで下押し。しかし、欧州株高とともに1.1224近辺へと高値を伸ばした。ポンドは逆の動き。ポンドドルは1.3031近辺まで上昇したあと、1.2982近辺まで反落。その後は再び1.30台乗せと方向性が錯綜した。ユーロ円は一時113円台乗せ、ポンド円は131円ちょうどを挟む上下動。

 シャフィク英中銀副総裁が「ある時点で追加緩和が必要になる可能性」と述べたことでポンド売りの反応がみられたが、値動きに持続性はみられず。

 ドラギECB総裁はこの後のドイツ議会での証言を控えており、それに先立つ講演で「中立金利の低下がマイナス金利導入の理由」「低金利の引き上げには構造改革が必要」「より一層の財政政策の処方が必要」などと述べていた。ユーロ相場は反応薄だった。

 資源国通貨は序盤に高値をつけたあとは調整に押されている。豪ドル円は77円台前半、カナダ円は76円台前半での取引。いずれも東京午前よりは円安の水準を維持している。このあとのOPEC会合をめぐる原油動向に左右されそうだ。

みんかぶ「KlugFX」 松木秀明
Source: klug

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