【ロンドン市場】ユーロ売り先行も、スペイン政府の期限延長で一服

 16日のロンドン市場は、ユーロ売りが先行。欧州の政治情勢をめぐる不透明感がユーロ相場の重石となっている。週末のオーストリア下院選で勝利した中道右派政党が極右政党との連立を模索しているとの報道が流れていた。また、この日はスペイン政府が設定したカタルーニャ州の独立宣言の明確な回答を求める期限。カタルーニャ州首相がこれまでの態度を変えない事態となったが、スペイン副首相が19日まで3日間の期限延長を表明しており、それまでに独立宣言を撤回する猶予を与えた。

 ユーロドルは序盤に売りが先行。1.18台前半から一時1.1781レベルまで下押しされた。ユーロ円は132円台前半から一時131.66レベルまで安値を広げた。ユーロは、対ポンドや対豪ドルでも軟調だった。ただ、欧州株はスペイン、ポルトガルなどを除くとプラス圏で推移しており、目立ったリスク回避の動きとはなっていない。ユーロ相場はNY市場に向けてやや下げ渋っている。

 ドル円は東京午前に112円台をつける場面があったが、その後は売りが優勢となっている。ロンドン序盤には111.65レベルまで下押しされた。日米軍事演習に続いて米韓でも演習が行われる予定となっており、日本海に米空母が派遣されるという。北朝鮮の反発が予想されており、円買いの圧力となっている。ドル円、クロス円ともに上値が重い状況となっている。

 ポンド相場は比較的小動き。英国とEUとの離脱交渉が難航しており、きょうの会合ではメイ英首相も出席する予定になっている。ただ、現時点では新しい動きはでておらず。ポンドドルは1.33ちょうど挟み、ポンド円は148円台半ばを挟んでの上下動に留まっている。

 豪ドルは比較的堅調。豪ドル/ドルは0.7870-80レベルと、前週末からの高値水準を維持している。豪ドル円は88円ちょうど近辺とやや上値が重いが、本日高値からの値動きは30銭程度に限定的。ユーロ/豪ドルは1.50割れ水準での取引が続いており、豪ドル買いが優勢。主要通貨が政治などの不透明を抱えるなかで、豪ドルにとっては資源価格の上昇や中国成長期待などが下支えとなっているもよう。

みんかぶ「KlugFX」 松木秀明

Source: klug

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