【ロンドン市場】ユーロドル1.20台乗せ、ドル円は108円台で上値重く

  29日のロンドン市場は、ユーロドルが節目の1.20台へと買われている。東京朝方には北朝鮮のミサイル発射でドル円が急落し、円高の面が強まった。しかし、ロンドン序盤にはユーロ相場に主軸が移っている。

 ロンドン朝方からユーロドルは1.19台後半で水準を上げる動き。1.2000の節目水準を上回ると一気に買われ、一時1.2070レベルと2015年1月以来の高値水準をつけた。この動きにつれてユーロ円も130.80近辺へと上昇、東京朝方の下げをほぼ解消した。対ポンドでもユーロは強く、ユーロポンドは0.93台をつける動きとなった。

 ユーロ買いに関しては、オプション関連の動向との観測もあった。ユーロ相場の急速な上昇でレンジ志向の取引戦略が崩され、ユーロ買い注文が発生したとの見方。この日発表された9月独GFK消費者信頼感が10.9とこれまでの最高水準となったほか、フランスの7月消費支出も予想を上回る伸びを示した。

 欧州株は大幅安。北朝鮮のミサイル発射で地政学リスクが高まり、日本株の下落に続いて米株先物とともに売られている。ユーロ高の急速な進行もドイツなどの輸出企業には警戒されたもよう。メルケル独首相は、ユーロ相場が貿易条件に影響するのは単純な事実、ユーロ相場について私が決めることではない、個人的にはドイツの貿易黒字がそれほど劇的なものとは思わず、などと述べた。

 ドル円は引き続き上値が重い。ロンドン朝方には108.90付近まで買い戻される場面があったが、欧州株の大幅下落とともに再び売られている。ユーロドルの急伸の影響や、米10年債利回りが2.13%近辺から2.08%台へと低下したことがドル円相場を圧迫。取引中盤にかけて108.27レベルまで本日安値を広げた。その後の戻りは108.60台まで。

 安全資産買いでは、有事のスイスフラン買いの動きもみられている。ユーロスイスは0.14台前半から1.13台後半へと再び軟化。

 ただ、北朝鮮関連の新たなニュースはみられず、市場ではトランプ米大統領の反応待ちになっている。豪ドルやNZドルなど東京朝方に売りが強まったが、ロンドン市場では買い戻しの動きが広がっている。豪ドル円は86円台後半、NZドル円は79円台乗せへと反発している。

みんかぶ「KlugFX」 松木秀明

Source: klug

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