【NY市場】ドルの戻り売り優勢 FOMCに警戒も

 きょうのNY為替市場はドルの戻り売りが優勢となった。特にドル売りを誘発するような特段の悪材料はない。米国債利回りが上げ幅を縮小したことや、米株式市場も伸び悩む動きを見せたことがドルを圧迫したものと思われる。

 明日から2日間に渡って開催されるFOMCを前に調整の動きも出ているのかもしれない。市場ではトランプ氏の経済政策への期待でインフレ期待が高まっている。しかし、トランプ氏の経済政策はまだ具体的な詳細は見えておらず、現時点でFOMCメンバーが予想にこれを織り込むとも考え難い。

 ただ、足元の経済指標は好調なことから、これをもって予想の中央値を上方修正してくる可能性が無いわけではない。しかし、FRBは現段階では、依然として慎重との見方も多く、その場合、為替市場では過熱感が出ているドルに調整売りが強まるのではとの警戒感もあるようだ。クリスマスも近づいてきている。

 ドル円は一時114円台に下落。ロンドン時間には一時116円台まで上昇していたが、高値から100ポイント超急落。下値での押し目買い意欲は根強く下押す動きまではなかったものの、ローソク足はトンカチを示現ており明日以降の動きが警戒される。10日線が114円ちょうど付近にきており下値サポートとして意識されるが、その手前としては114.60付近が意識される。

 ユーロは買戻しが優勢となり、対ドルでは1.06台に上昇している。対円では122円台に上昇。特にユーロの好材料は出ていないが、先週のECB理事会以降の下げがきょうは一段落したといったところ。ユーロが買われているというよりもむしろ、ドル買い一服に伴うユーロ買戻しというほうが実体であろう。

 イタリアで憲法改正の是非を問う国民投票の敗北を受け辞任したレンツィ前首相の後任としてジェンティローニ外相が新首相に任命されたこともユーロの買戻しを誘っていた模様。原油が上昇しており、ユーロ圏のインフレ期待が高まるのではとの見方も出ていたようだ。

みんかぶ「KlugFX」 野沢卓美
Source: klug

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