12日のロンドン市場は、円売りが先行し、ドル円は一時116円台に乗せた。ロンドン早朝にドル円は115円台半ばでの揉み合いから上放れる動きをみせた。115円台後半へと徐々に買われた。米10年債利回りが2.49%付近から2.52%台へと上昇する動きとともに、ドル円も比較的アッサリと116円台に乗せる。一時116.12レベルと2月8日以来の高値水準をつけた。ただ、米債利回りの上昇が一服すると、すぐに115円台へと戻している。ただ、115.70-80レベルでは下げ止まっており、比較的押しは浅い。
クロス円も堅調。ユーロ円は122円台乗せから122.93近辺まで、ポンド円は145円ちょうど近辺から146.37近辺まで高値を伸ばした。欧州株はやや売りに押される展開となっているが、ユーロ相場にとっては先週末に急落した伊モンテ・パスキ銀の株価が持ち直していることが好感された面があったようだ。同行の増資にカタール投資庁が約1220億円を投資すると報じられている。
ドル相場は全般にドル安方向に押し戻されている。ユーロドルは1.05台後半から一時1.0614レベルまで上昇。ポンドドルはやや遅れて買われ、1.25台後半から1.2647レベルまで上昇した。取引序盤はクロス円の上昇に、中盤にかけては米債利回りの上昇一服の影響がみられている。
週明けのオセアニア市場開始とともにNY原油先物が51ドル台から53ドル台へと急騰。週末のOPECと非加盟国の会合で、協調減産が合意されたことに反応した。原油相場をめぐる不透明感が払拭されたことで市場のリスク選好ムードをもたらした面があった。ただ、イタリア株以外の主要株式市場はやや売りに押されており、売買は交錯している。
このあとのNY市場では主要な米経済指標発表に欠けており、米株式市場が再び最高値を更新するのかが注目されそうだ。原油相場の急上昇が、インフレ警戒感を広げるようだと、株式市場にとってはネガティブに捉えられる可能性もある。
みんかぶ「KlugFX」 松木秀明
Source: klug
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