20日のロンドン市場では、ドル買いが優勢。トランプ次期大統領就任式を日本時間深夜に控えて、米債利回り上昇とともにドル買いの動きが広がっている。
ドル円は114.60-80レベルでの揉み合いから次第に上放れて115円台を回復。米10年債利回りが前日比プラスに転じる動きとともに115.39近辺まで本日の高値を伸ばした。欧州株は寄り付き直後に売りが先行したが、ほどなく買い戻されてプラスに転じる動き。ただ、取引中盤には方向性を失い、高安まちまちとなってきている。ドル円の上昇は前日高値には届かず、はっきりとした方向性はみえにくい。リスク動向に呼応したものというよりは、イベント前の調整の色合いが強かったようだ。
ポンドドルは1.23台半ばから一時1.2261近辺まで下落した。この日発表された12月の英小売売上高が前月比-1.9%と事前予想-0.1%を大幅に上回る下落率となった。ポンド安の影響で販売価格が上昇したことが背景とみられている。次第にEU離脱の実体経済への波及が懸念される状況に。その他には、ECBのクーレ理事は、英国でのユーロ決済業務を維持することは困難となろう、と述べている。また、英スコットランドのサモンド前行政府首相は、スコットランドは2年以内に独立を問う住民投票を行う公算が大きい、との見通しを示した。
ユーロドルは序盤に1.0694レベルまで買われたが、1.07の大台には届かず反落。一時1.0628近辺まで下押しされた。対ポンドでのユーロ買いの動きもあって、ポンドドルと比較すると値幅は限定的。ECB専門家調査では、2017年のインフレ見通しが従来の1.2%から1.4%に引き上げられていた。GDP見通しは従来の1.4%から1.5%に引き上げられた。
円相場は通貨ペアごとにまちまち。ユーロ円は122円台後半でこう着状態。ポンド円は一時142円台に乗せた後、141円台前半に反落、その後は141円台半ばと方向性に欠ける動き。豪ドル円などオセアニア通貨は、序盤に売りが先行。豪ドル円は86円台後半から一時86円台半ばへと下押しされた。その後は下落の半値程度を戻してきている。NZドル円はさらに弱い動き。序盤に82円台後半から前半へと下落、その後も安値付近での揉み合いが続いている。
みんかぶ「KlugFX」 松木秀明
Source: klug
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