28日のロンドン市場は、先日までのドル売りは一服している。ただ、ドルの高値を追うほどの手掛かりにも欠けており、神経質に売買が交錯している。そのなかでは米長期債利回りがドル相場の指針となっているようで、利回りの上下動にドル相場が反応している。ロンドン序盤には米10年債利回りが2.38%台後半と前日比プラス圏に上昇、その後は揉み合いを経てロンドン中盤にかけては2.37%付近と再び前日比マイナスに転じている。
ドル円は110.50近辺から110.75近辺での揉み合いが続く中で、取引中盤には110.50をやや割り込んできている。米債利回りのほか、欧州株はやや反発の動きとなっており、NY原油先物も48ドル台と小高い。リスク動向は落ち着いた形だが、積極的に上値を追う材料もなかった。このあとのNY市場では、イエレンFRB議長の講演など複数の米金融当局者らの発言機会が予定されており、待ちのムードが広がっている。
欧州通貨は神経質な上下動。この日は主要な英欧経済統計発表はなく、ポンドやユーロは方向感に欠けている。ポンドドルは序盤にドル買い先行で1.2540近辺に下落。その後は1.26手前まで反発も、足元では再び1.25台半ばに押し下げられている。ポンド円は139円を挟んだ上下動。138.70近辺から139.40近辺でのレンジで、足元では売りが優勢。あすは英首相がEU離脱通告を実施する予定となっており、ポンド相場は落ち着かない値動きだった。
ユーロドルはポンドドルとは逆方向に動く場面が多かった。ユーロポンドのフローが入っていたもよう。ユーロドルは東京タイムからはやや軟調も、1.0840台から1.0870台の狭いレンジでの取引。ユーロ円は120円台前半での揉み合いが続いたが、取引中盤にかけてはやや売りが優勢。一時119.87レベルに本日の安値を広げている。
豪ドルなど資源国通貨は売りが優勢。豪ドル/ドルは0.76台割れ、豪ドル円は84円割れへと水準を下げている。南ア・ランドが急落する場面があり、豪ドルが連れ安となった面があったようだ。南アのズマ首相は共産党幹部らにゴーダン財務相を更迭する方針だと述べたと報じられた。ドル/ランドは12.75近辺から一気に13.11近辺まで買われる(ランドが売られる)場面があった。
みんかぶ「KlugFX」 松木秀明
Source: klug
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