4日のロンドン市場では、ドル売りが優勢。米債利回りが上昇一服となったことや、前日のロンドンタイムからNY序盤にかけてのドル買いが勢いを失ったことで、反動ムードが広がっている。
ドル円は東京午前に118円台へと下げ渋ったが、118.19レベルを高値にロンドン市場では売り戻されている。取引中盤にかけては117.36レベルまで下押しされた。米10年債利回りが2.47%台から一時2.44%台へと低下、ドル売り圧力となった。また、欧州株が序盤の上昇を消してマイナス圏に転じた。NY原油先物は53ドル台が重くなっており、一時52ドル台前半へと軟化。リスク動向からの円買いの面もあった。
ドルは総じて軟調。ロンドン序盤には豪ドルが口火を切った。豪ドル/ドルは特段の材料もなく0.7240近辺から0.7280近辺まで一気に買われた。この動きがその他の主要通貨にもドル売りを波及させた。ユーロドルは1.04ちょうど付近から一時1.0446レベルまで、ポンドドルは1.2240近辺から一時1.2290近辺まで高値を伸ばした。
一方、クロス円は円買いが優勢。東京市場からロンドン朝方までは円売りの流れだったが、ロンドン市場では反転している。ユーロ円は123円手前で失速しており、ロンドン中盤にかけては122.50台まで反落。ポンド円は145円手前から一時144円割れまで反落。豪ドル円も序盤に85.70近辺まで買われたあとは85.20台まで下押しされる動き。
この日発表された12月のドイツやユーロ圏の非製造業PMIはいずれも前回値や予想を上回る良好な結果だった。また、12月のユーロ圏消費者物価指数・速報値も伸びが加速しており、欧州をめぐる経済状況は改善してきている。また、英国の経済指標も12月建設業PMIが9ヶ月ぶりの高水準となっている。ただ、ユーロやポンドは指標には目立った反応を示しておらず、いずれも前日の動きの調整が中心だったようだ。
このあとのNY市場では、利上げ決定時の米FOMC議事録が発表される。今年の利上げ見通しの引き上げなどもあり、トランプ相場とともにドル高の有力な材料となっていた。さらに詳しい説明がなされれば、再びドル買いに反応する可能性もある。ただ、前日のNY後半の揺り戻しからはある程度のポジション蓄積が示された格好となっており、予断は許さないだろう。
みんかぶ「KlugFX」 松木秀明
Source: klug
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