現役ディーラーが語る!今週のビットコイン円「なぜ?暴落の原因はやはり中国」

こんにちは。国府勇太です。

今週(2月13日の週)のビットコイン円の見通しを主にテクニカル面から分析していきます。 
では、さっそく日足チャートを見てみましょう。

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先週を一言で表すと「大きく崩れるも、チャンス到来?」です。

週オープン6日(月)に117,299円でスタートをしたビットコイン円。
先週からの堅調な動きを引き継いで、月、火、水と3日連続で陽線(上昇)となりました。

しかし、流れが急変したのは、9日(木)。日本時間の夜22時から23時。
原因は、やはり中国です。中国人民銀行(中国の中央銀行、The People’s Bank of China)の要請により、中国国内の大手ビットコイン取引所3社が利用者のビットコインの引き出し停止したというニュースを受けたもの。

123,500円のレベルから一気に103,360円まで急落(14%近く)しました。
これで、完全にビットコインが中国の当局から「目を付けられた」カタチとなりました。

そもそもなぜ、ここまで中国でビットコインが過熱していたのか?
それはやはり「人民元への不信」が背景にあります。

自国の通貨「元」を信頼できない中国国民は、このまま元を持っていても価値が毀損していくのみと考えます。

ただ、もともと国家為替管理局の規定により、中国国民の外貨を買うのは年間5万ドル分までと限度があります。(一方、日本国民は、外貨預金でもFXでもいくらでも円を外貨に移すことは可能です。便利ですね。)

そこで、理財商品や不動産、美術品、そして昨年の中国株と資本流出先を求めていました。
そんな中、ビットコインはまさに「通貨」としてうってつけだったのです。
(「自国の通貨、中央銀行の体制への不信」からビットコインに流れるというのはまさにサトシナカモトの理想とするところではないでしょうか)
そのビットコインが当局に目をつけられた今、中国国民の資本流出先は、ビットコイン以外の次の金融商品に向かざるを得ない状況になったといえます。

さて、話戻りますが、9(木)の暴落後を見てみましょう。

実は、この暴落後、しっかり買われ、日足でみれば「ものすごく大きな下ヒゲ」を形成しています。
これは、「下がれば買いたい」というマーケット参加者が多いということです。

10万円近辺のラインではしっかり買われるということがわかりました。
このことを、「このラインは堅い」と表現します。

その後金曜も下ヒゲをつけ下落する場面もありますが、しっかり堅調な動きで週末クローズしました。

次に、フィアットのドル円の動きも見ておきましょう。

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単純移動平均線(SMA)をプロットしてみましょう。

パラメーター(設定値)は
短期線:7
中期線:35
長期線:105
です。

移動平均線のベースが1週間5営業日の5の倍数なのに倣ってビットコインの場合1週間7営業日なのでこのパラメーターでプロットしました。

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短期線が下向きで、なんともいえない展開です。
トレードは無理するところではありません。今週は様子見。

ただ、基本的に見通しはロングで変わりありません。
あとは、「コストいくらで」ポジションを持てるかです。

見通しはあってるけど、中途半端なところでロングを持つとパフォーマンスは下がります。
また、下がった時に精神的にもよくないです。

さらに、ボラティリティに合わせて売り買いを繰り返す(スキャルピングやデイトレード)ことも、資産と体力を無駄遣いすることにもなりかねませんので特に初心者にはおすすめしません。
先週のような押し目をしっかり待ちましょう。

押し目の目安になるポイントは2点。

それが、SMAの中期線と長期線です。
特に長期線は1月12日の直近最安値86,000円でもしっかり支えられている良いラインです。
「押し目待ちに押し目なし」と相場では言われますが、ビットコインの場合、そうとも言えません。
チャンスは結構きています。
大荒れのビットコインですが、そのボラティリティの高さを味方につけましょう。

最後に、現在、ビットコインの取引環境は劇的に変わっています。
依然中国の影響力は大きいですが、過去1週間の取引高1位は日本のビットコイン取引所となっています。(ちなみにbitFlyerです)。

そして、現在為替の世界にいる僕ですが、各外資系銀行などの担当から「ビットコイン」というワードについて耳目に触れることが増えました。

確実に日本でビットコインが盛り上がってきていると感じます。
ただ、その一方ほぼ詐欺のようなアルトコイン(ビットコイン以外のコイン)の話もかなり増えています。
トレードで利益を出しても、そういったところで大きく損失を出しては本末転倒です。
十分お気をつけ下さい。

では、今週もリスク管理に気をつけてがんばりましょう。

【執筆者】 国府勇太(Yuta Kokubu)
ワイジェイFX株式会社 ディーリング部
1984年生まれ。慶應義塾大学卒。大学院時代にFXを知り個人投資家に。
その後、その魅力に取りつかれ、より極めたいとの思いからヤフーグループのYJFXに入社。
現在ディーリング部にて主要通貨のディールを担当。
「マネーライフの課題解決」がモットーで、初心者にわかりやすい解説に定評がある。
現在ヤフー公式ブログ、FX攻略.comでもコラム連載中。

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Source: ビットフライヤー

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