【ロンドン市場】ポンド売り・ユーロ買いに、ドル高は一服

 15日のロンドン市場は、ドル高の動きは一服している。

 ドル円は108円を挟む取引が続いており、前日のように106円、107円、108円と大台を次々に更新するような一方的なドル高の動きは落ち着いた。ロンドン序盤に107.77近辺まで下押しされたが、中盤にかけては108.43レベルに高値を伸ばすなど方向感は定まらない。市場筋によると108円ちょうどや108.50レベルに本日NYカットのオプション期限設定があるもようで、レンジ志向の短期売買が繰り返されているもよう。

 この日の相場の主役はポンドやユーロなど欧州通貨となっている。ポンドにとっては一連の英物価指標発表やカーニー英中銀総裁の議会証言などイベント材料が多かった。序盤からポンド売り・ユーロ買いのフローがみられた。イベントを控えてこれまでのポンド買いに調整が入る形だった。

 10月の英消費者物価指数は前月比+0.1%と予想+0.3%や前回+0.2%を下回る伸びだった。予想外の伸び鈍化にポンドは一段安となった。ポンドドルは一時1.24台割れ、ポンド円は134.20付近まで下値を広げた。カーニー英中銀総裁は議会証言で、ポンド安は必要な調整との認識を示した。ただ、ポンド相場下落の程度が適正なものかどうかは種々のイベント次第とも述べている。総裁は2019年6月に退任することを再確認した。

 一方で、ユーロは堅調。序盤にユーロドルは1.0816近辺、ユーロ円は116.94レベルまで上昇。ポンドとは逆の値動きとなった。中盤にかけては上昇が一服している。ユーロドルは1.0760近辺へと反落。ユーロ円も116円台後半で上げ渋り。この日発表された11月のドイツZEW景況感指数は13.8と予想8.1や前回6.2から上振れており、ドイツ経済の好調なセンチメントを示していた。ただ、トランプ政権への不透明感をまだ織り込んでいないとの見方もあり、今後は注意が必要。

 ドル指数は前日に100台まで上昇したが、この日は一時99台前半まで下押し。ただ、取引中盤には再び99台後半へと盛り返しており、ドル高圧力は根強い。このあとのNY市場では米小売売上高など一連の米経済指標や米金融当局者発言が予定されている。

みんかぶ「KlugFX」 松木秀明
Source: klug

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