きょうのNY為替市場、全体的には方向感のない展開となった。FOMCや日銀決定会合を通過した週末ということもあり、様子見気分も強く商いは薄い。
重要イベントを通過したものの、為替市場は消化仕切れずに方向感を出せていない。特にFOMCについては、年内利上げの可能性は温存したのの、以前よりはトーンが落ちた印象も強い。今のところ12月の利上げ確率を半々程度で織り込んでいるようだが、今後の指標次第では無くなる可能性もある。市場も動向を確認といったところのようで、来週以降の米経済指標の行方次第といったところかもしれない。この日も複数の米地区連銀総裁の発言が伝わっていたが、大きな反応は見られなかった。
NY時間のドル円は101円台前半の狭い範囲での振幅に留また。序盤はボストン連銀総裁のタカ派な発言に敏感に反応し、買いが優勢となったものの、101円台に入ると売り圧力も強く、それ以上の伸びはない。一方で下値では買いも見られ、100円を試す動きもない。方向感がなかなか出せない中、米経済指標など次の材料探しといった様相だ。
ユーロドルは1.12台前半で推移。ユーロドルも上下動はするものの、レンジ内に留まっている。きょうも1.12割れが何度か見られたが、1.12台に戻されている。1.1190付近に100日線が来ており、強いサポートとして機能しているようだ。1.1200のオプションのまとまった清算も来週にかけて観測されており、それに絡んだ動きや、対ポンドでの買いもユーロの下値をサポート。
ここ数日のユーロドルの動きを見ると、上に行きたがっている雰囲気も見られる。FOMC以降は1.1250水準で上値が止められているが、来週はその水準を突破してくるか注目される。ユーロ発の材料は無さそうで、むしろ、米経済指標の行方次第といったところかもしれない。
ポンドはきょうも売りが目立ち、対ドルでは一時1.29台前半、対円では130.50付近まで下落した。きょうはジョンソン英外相が来年初めにもリスボン条約50条のEU離脱を宣言するとの発言が伝わったことがポンド売りを誘っていた模様。市場では予想以上に早くEUを離脱するのではとの警戒感が強まっており、ポンド売りの材料となっている模様。
足元はEU離脱問題による経済への悪影響は予想ほどではないようだが、実際、EU離脱ということになれば、先週、ハモンド英財務相が言及していたが、EU単一市場へのアクセスができなくなる可能性がある。それによって、英国から出て行く企業なども多くあらわれる可能性もあり、英経済にとっては打撃になりそうだ。
みんかぶ「KlugFX」 野沢卓美
Source: klug
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