21日のロンドン市場は、円買いに流れが転換した。日本時間午後3時半から始まった黒田日銀総裁会見の進行とともに円買いの動きが優勢になった。
ドル円は日銀決定会合後の上昇で102.79近辺まで高値を伸ばした。その後は日銀総裁会見を控えて、しばらく102.50-60近辺で揉み合う。黒田日銀総裁会見では、今回の発表で、短期金利と10年物国債金利の2つを操作する、物価2%目標のオーバーシュートを認める、としており金利操作と時間軸の両面で従来の枠組みを強化した、と説明した。
ただ、市場では今後のマイナス金利深堀りや量的緩和拡大などの具体的な言及が避けられたことでやや失望感が広がったもよう。ドル円はジリジリと値を下げて101円台前半へと押し戻されている。ただ、日銀発表直後につけた101.03近辺の安値には届いておらず、東京午後からの相場は上に往って来いのレンジ相場に留まっている。
クロス円もドル円に値動きに沿って、円安から円高へと方向転換。欧州株高やNY原油先物の堅調な動きには反応薄。ユーロ円は114円台を維持できず113円台割れへと反落。ポンド円も133円近辺から131円台後半へと軟化。そのなかでは豪ドル円は比較的底堅く推移。対ドルで0.76ちょうど付近の高値を伸ばしたほか、対円でも高値からの下げは50銭程度と限定的。市場の関心は、このあとの米FOMCの結果発表に移ってきているもよう。
みんかぶ「KlugFX」 松木秀明
Source: klug
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