【NY市場】FOMCやイエレン会見受け、ややドル売り優勢に

 きょうのNY為替市場は午後に発表されたFOMCの結果やその後のイエレンFRB議長の会見を受け利回りは低下した。声明では、利上げの根拠は強まったが、しばらく景気状況を見守るとしていた一方、3人の米地区連銀総裁が利上げを主張。リスクも概ね均衡としていた。

 注目のFOMCメンバーによる金利見通し(ドットチャート)は2016年について、予想の中心値は年内1回を示す0.625%だったものの、利上げ無しを示す0.375%が3人いた。ただし、4人は年内2回もしくは、大幅利上げを見込んでいる。甲乙付け難い内容ではある。一方、経済見通しでは、今年と長期のGDPを下方修正していた。

 FOMC内でも意見の相違が鮮明になっている様子もうかがえ、年内利上げの明確なヒントまでは出せなかったようだ。ただ、声明でリスクは概ね均衡ともしており、イエレン議長の会見でも、特に悪材料がなければ、年内1回の利上げの可能性はあると指摘している。

 FRBがなお利上げの方向に傾いていることは確かで、今回は見送ったが、状況が過度に悪化しない限り、12月の利上げの可能性は高いようにも思われる。

 ただ、市場はドル売りの反応。利上げの方向に傾いていることは確認できたとは思われるが、GDP見通しの下方修正や、年内の利上げ無しを予想しいるメンバーもいたことから、ドル売りの反応を見せたのかもしれない。今後の指標などを確認したいところと思われる。

 ドル円は一時100.35近辺まで下落。日銀決定会合や黒田総裁の会見を経て、円高が強まり、FOMC前に十分に下落していた。心理的節目の100円に接近していることもあり、FOMC後はドル売りの反応だったものの、下押す動きは限定的となった。米株高もあり100円台半ばまで戻している。

 ユーロドルはFOMC後に上下動したものの、終盤には次第に買いが優勢となり、1.11台後半まで上昇。一方、ポンドドルは1.30台を回復している。

 ユーロもポンドも買い優勢となったものの、FOMC通過後も反転の雰囲気までは出ていない。

みんかぶ「KlugFX」 野沢卓美
Source: klug

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