きょうのNY株式市場はドル買いが加速している。午後になって公表されたFOMCを受けてドルは戻り売りに押されたものの一時的な動きに留まっている。FOMC直後の動きが一巡した後は逆に、対欧州通貨中心にドル買いが加速した格好。
ドル円は一時110円台を付ける場面も見られた。FOMCを受けて110.60円付近まで伸び悩む場面も見られたが、動きも一時的で底堅さを堅持。目先の上値レジスタンスは200日線が110.25円付近に来ており意識される。
なお、FOMC声明ではインフレの表現の変更が注目されたが、これまでの「インフレの動向を注意深く監視」の文言は削除され「インフレは2%に接近した」に変更している。上方修正された印象はあるものの、タカ派な印象まではない。ただ、「更なる漸進的な利上げを予想」との文言は温存しており、6月の利上げ期待は追認しているとも見られる。
これまで過度にドル高が進んでいたことから材料出尽くし感も出たのであろう。ドルは戻り売りが強まる展開が見られていたが、一時的な動きに留まった。
その他、きょうは米国債の四半期定例入札の予定が米財務省から公表された。長期債の発行額は前四半期の660億ドルから730億ドルに70億ドル増額する。増額幅は前四半期の40億ドルから拡大した。(620億ドルから660億ドルへ増額)このほか、年内に2ヵ月物の財務省短期証券(TB)を新たに発行する計画も明らかにしている。市場の一部では警戒感も出ていたものの無難な通過に終わった。
ユーロドルは終盤になって売りが加速し、1.1940ドル付近まで下落。1.1935ドル付近にフィボナッチ61.8%戻しの水準が来ているが、その付近まで到達している。FOMC発表直後は1.20ドルを回復する場面も見られた。200日線に上値は拒まれた格好で、下向きの流れの根強さもうかがえる展開ではある。
ポンドドルもFOMC直後に1.35ドル台後半から1.36ドル台半ばまで一気に買戻しが入ったものの、買いが一巡すると再び売りが強まり、今度はFOMC発表前の水準を下回っている。
このところのドル買いは米国債利回りの上昇もあるが、第1四半期の経済指標が弱く、英中銀やECBといった欧州の中銀が出口戦略路線に様子見姿勢を示し始めていることから、欧州通貨の売りがドル高に繋がっている面もある。
以前は今月の英中銀の利上げ期待がかなり強まっていたが、現在は利上げはほぼ無いとの見方に傾いている状況がポンドを圧迫しているようだ。
minkabu PRESS編集部 野沢卓美
Source: klug
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