クリスマス休暇明けのNY為替市場はドル売りが優勢となった。ロンドンがボクシングデーで休場となるなど欧州勢はほぼ休みとなる中、市場参加者は少ない。NY時間に入って米国債利回りが下げに転じているほか、米株式市場でIT・ハイテク株に売りが広がっていることや原油高がドルを圧迫していたようだ。
ドル円はNY時間に入って値を落とす展開となり、113.15円付近まで下落。本日の東京時間には、日本の11月の全国消費者物価が発表されていたが、生鮮と食品を除いたコアコア指数は前年比0.3%と若干上振れの気配も見せていた。しかし、ゼロ近傍に変化はなく、先週、日銀の黒田総裁は緩和継続姿勢を強調していたが、それを裏付ける内容ではあった。
ただ、ドル円は下値を攻める動きまでは見せていない。本邦勢が年末で動きが鈍いことや、海外勢はなおクリスマス休暇で本格復帰は明日以降の中、手を出しにくい状況のようだ。目先は10日線が112.95円付近、21日線が112.80円付近に来ており下値サポートとして意識される。
ユーロドルは底堅い動きだったものの、1.18ドル台後半には慎重。手掛かり材料もなく取引も閑散な中、朝方のユーロドルはロンドン時間の1.1875ドル付近から1.1850ドル割れを試す動きも見られていた。しかし、NY時間に入って買戻しが強まり下げを取り戻している。
欧州勢が休みでもありドル主体の相場展開となる中、ドルが戻り売りに押されたことがユーロドルをサポートした。目先の上値レジスタンスとしては1.1885ドル付近と1.19ドルちょうど付近が意識されるが、いまのところ1.18ドル台後半には慎重といった雰囲気だ。
来年のユーロに関して市場では比較的強気な見方も多いが、イタリアの総選挙など政治リスクへの警戒も根強い。そのほか、スペイン・カタルーニャ州の議会選挙では独立賛成派が勝利し連立政権を樹立しそうだ。ただ、当面は独立問題が盛り上がることはないとの見方から、いまのところ市場は冷静に見ている状況。いずれにしろ、本格的な売買は明日以降、欧州勢が戻ってきてからということになりそうだ。
ポンドは買い戻しが膨らみ、ポンドドルは1.33ドル台後半に上昇したほか、対円、ユーロでも上昇。ポンド円は151.50円付近まで一時上昇した。ただ、きょうの欧州市場は休日で市場参加者も少なくポンドの材料はない。
先週末に米商品先物取引委員会(CFTC)が発表したIMM投機筋の建玉によると、ポンドの買い越しは2014年9月以来の高水準に上昇しており、ファンド勢はEU離脱交渉の第1フェーズ通過を材料にした買いを続けているようだ。
ポンド円は21日線が151.15円付近に来ており下値サポートとして意識されるほか、先週、強い抵抗となっていた152円ちょうど付近が上値レジスタンスとして意識される。
カナダドルが強い動き。原油相場が60ドルを一時付けており、カナダドルの買いを誘っている。リビアでパイプラインの爆発事故が発生しており原油は買いが強まった。先週から買い戻しが続いているが、先日のカナダ中銀の声明は慎重姿勢を維持していたものの、今月発表のカナダの雇用統計や消費者物価指数(CPI)などの指標から、早ければ第1四半期にも追加利上げとの見方も出ている。そのような中、原油高に反応しやすい地合いになっていたようだ。カナダ円は89円台に上昇。
minkabu PRESS編集部 野沢卓美
Source: klug
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