きょうのNY為替市場、午後になってドル買いが強まり、ドル円は112円台を回復している。午後になって次期FRB議長選でスタンフォード大のテイラー教授がトランプ大統領の高い評価を得たとの報道が伝わった。テイラー氏ならば市場ではドル高要因と見られている。また、ロシアのインターファクス通信が、米朝外交官が今週モスクワで会談する可能性があると伝えている。一方でCNNは、北朝鮮は米国との外交交渉を現在は拒否しているとも伝えていた。
ただ、全体的には様子見気分が強い。朝方発表になったNY連銀景気指数は予想を大きく上回ったものの、ドル買いの反応は一時的となっていた。きょうは米国債利回りも下げが一服しており、米株も最高値更新が続いている。ドルにとってはフォローの風が吹いたものの反応は鈍い。先週の米消費者物価指数(CPI)を受けて、景気の先行き期待は強いものの、上値の重さにドルロング勢も一旦モメンタムを失っているのかもしれない。
ドル円は一時111.65付近まで下落し200日線を下回っていた。しかし、テイラー氏などのニュースが伝わると112円台を回復している。
ただ、テクニカル的には一旦下向きのサインも出始めており、10日線と21日線のデットクロスが示現しそうな兆候も出ている。目先は111.15付近に100日線が控えており意識されるが、更に111.10付近に9月安値から10月高値までの上昇波のフィボナッチ38.2%戻しの水準が来ている。この水準をブレイクするようであれば、50%戻しの110.35付近が視野に入る可能性が高まる。
一方、ユーロドルは1.18台を回復していたものの、後半になって1.17台に値を落としている。ただ、1.17台では買いオーダーも断続的に出るようで下押す動きまでは出ていない。
スペイン政府がカタルーニャ自治州に独立に関する姿勢を明確にするよう求めていた件で、プッチデモン州首相は応答を拒否した。スペイン政府は憲法155条に則って自治停止を警告しており、スペインのサエンスデサンタマリア副首相は、19日の午前10時まで主張を取り下げる機会があると述べていた。
スペイン情勢への懸念からユーロの上値も重いものの、悪材料の割には底堅い印象。カタルーニャ問題に関してはスペイン中央政府が優位に立っていることから大事にはならないと楽観視している部分もあるのかもしれない。
また、先週の米CPIを受けてドルが軟調でかつ、英EU離脱交渉の進展が不透明でポンドも軟調な動きをしていることから、ユーロが消去法的に買われていた側面があるのかもしれない。
minkabu PRESS編集部 野沢卓美
Source: klug
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