29日のロンドン市場は、ドル買いが一服。米債利回りの低下に反応して、ドル円は一時112.50割れとなった。米10年債利回りは序盤に2.32%近辺から前日NY終値水準2.30%台後半へと低下し、その後は揉み合いとなっている。取引中盤にはドル円は112.50挟みに落ち着いている。
この日は、欧州通貨間の取引が活発。朝方からユーロ買い・ポンド売りが持ち込まれた。その後発表された第2四半期の英GDP確報値が前年比+1.5%に下方修正、ドイツ失業統計は失業率が5.6%に低下と予想外の良好な結果となり、両通貨の値動きの差異がさらに広がった。一方、9月ユーロ圏消費者物価速報は前年比+1.5%と予想を下回ったが、ユーロ売り反応は一時的。ユーロドルは1.18台乗せ、ポンドドルは1.33台半ばへと下押し。ユーロ円は132円台後半での強もち合い、ポンド円は150円台前半まで下落。
カーニー英中銀総裁は、金利は今後数ヶ月で上昇するだろうと繰り返す一方で、消費者信用とEU離脱がリスク材料と指摘していた。市場では利上げペースは慎重なものとなりそうだとの見方が広がっていた。
ユーロの支援材料としては対スウェーデンクローネの動きもあった。スウェーデン中銀がイングベス総裁の任期を5年延長すると発表。マイナス金利導入の立役者の続投で、市場には今後も緩和策が継続するとの見方が広がった。ユーロ/クローネは9.60近辺から一時9.661レベルまで上昇。約2ヶ月ぶりのクローネ安・ユーロ高水準となった。
ユーロとポンドが逆方向に動いたこともあって、ドル相場や円相場には、総じて大きな流れは出ず。月末・期末でフロー主導の展開だった。
みんかぶ「KlugFX」 松木秀明
Source: klug
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