【ロンドン市場】原油安を受けて円買い先行も、次第に落ち着く

 5日のロンドン市場は、原油安を受けて円買い先行も、次第に落ち着く展開。日本時間昼過ぎにNY原油先物が時間外取引で45ドル台から一気に43ドル台まで急落した。これを受けてアジア株は総じて下落しており、リスク回避的な円買い圧力が広がった。ドル円はロンドン朝方に112.09レベルまで下押しされた。ただ、その後は下げ渋り。欧州株も軟調に取引されているが、米雇用統計発表を控えた様子見ムードが広がり値動きは限定的。さらに、NY原油先物が再び45ドル台後半まで反発する動きにドル円は112.40台まで値を戻している。

 クロス円も同様の動きだが、通貨ごとに強弱が分かれている。欧州通貨ではユーロ安・ポンド高の動きが続いた。クロス円もポンド円は145円を挟んで下に往って来いとなる一方で、ユーロ円は123円割れからの戻りは123円台前半までと限定的。ユーロドルが1.09台後半で1.0954レベルまでジリ安となる一方で、ポンドドルは1.29台前半で一時1.2942レベルまで高値を伸ばした。

 豪ドルなど資源国通貨は原油安の局面で大きく下落。豪ドル円は83円台前半から82.70近辺まで、豪ドル/ドルは0.74台割れから0.7370近辺まで下押しされた。その後の原油反発で豪ドル円は83円乗せ水準、豪ドル/ドルは0.74ちょうど近辺までの戻り。カナダ円は81円台後半から前半で下に往来。ドルカナダは1.37台後半での狭いレンジでの取引。

 日本時間午後9時半には4月の米雇用統計が発表される。非農業部門雇用者数の伸びは19万人程度が見込まれており、前回の9.8万人への落ち込みから回復するのかどうかが注目されている。また、週末5月7日にはフランス大統領選の決選投票が行われる。世論調査でのマクロン氏優位に変化はみられない。第1回投票でユーロ買いがかなり進んでおり、週明けの結果判明時には複雑な反応となる可能性もあり注意しておきたい。2大イベントを控えて積極的な売買は手控えられたロンドン前半の取引だった。
 
みんかぶ「KlugFX」 松木秀明
Source: klug

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