8日のロンドン市場は、ドル買いが先行した。米債利回りの上昇にともなう値動きだった。ドル円は、東京午後に113.61近辺まで下押しされた。この日発表された2月の中国貿易統計が予想外の赤字となったことが円買い材料として取り沙汰されていた。しかし、ロンドン早朝には下げは一服。米10年債利回りが前日比プラスに転じる動きとともに114円台に乗せる。米10年債利回りは一時2.55%手前まで上昇、1月26日以来の高水準となった。ドル円は114.12近辺まで高値を伸ばした。その後は欧州株が小安い動きとなり、利回り上昇も一服。ドル円は114円ちょうど付近で揉み合っている。
その他の通貨でもドル買いが優勢。特に目立ったのがポンドドルで、1.22台割れから一時1.2139近辺まで下押しされた。1月17日以来の安値水準となっている。ポンドは連日、対ユーロで売りが先行する傾向がみられている。英国にとっては今週発表される予算案が成長支援には物足りないとの見方がでていた。また、EU離脱法案をめぐり、上院で修正案などの審議が難航していることも重石になっていたようだ。ポンド円は一時138.50割れ、ユーロポンドは0.87手前へと水準を上げている。
ユーロは比較的底堅い。ユーロドルはドル買いの動きに押されているが、1.0548近辺までとロンドン序盤の値動きは30ポイント以内に留まっている。ユーロ円は120円ちょうど近辺でサポートされると120.45近辺まで反発。対豪ドルでもユーロは堅調。あすのECB理事会では目立った政策変更はないとみられている。
豪ドルは上値が重い。NY原油先物が時間外取引で52ドル台半ばへと軟化したことが材料視されているもよう。豪ドル/ドルは0.76手前から0.7550台まで下落。豪ドル円は86円台前半で上値が重くなっている。中国貿易統計については、輸入が急増しており、豪ドルにとって悪い材料とも言い切れない面も。輸出が冴えなかった背景としては、春節による出荷休止の影響とみられていた。
みんかぶ「KlugFX」 松木秀明
Source: klug
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