【NY市場】米雇用統計前にドル円は上げ一服 原油急落も圧迫

 きょうのNY為替市場でドル円は戻り売りに押されている。特に売り材料は見当たらないが、きょうは欧州通貨の買戻しが強まっており、相対的なドル売りがドル円を圧迫したようだ。商品市場で原油安が急速に進んでおり、米株の上値も重かった。

 前日のFOMCや仏大統領選のテレビ討論会を受けて、序盤は買いが優勢となり113円台を付ける場面も何度か見られた。ただ、いすれも跳ね返されており、明日に米雇用統計を控えていることもあって、ロング勢も一旦勢いを後退させた模様。

 北朝鮮問題や仏大統領選への懸念も一服しており、ドル円は4月中旬以降、急ピッチでリバウンドしている。短期的な過熱感も出る中、明日の米雇用統計を控えて調整の動きが出たものと見られる。下値サポートとしては112.15水準が意識され、買いオーダーも観測されている模様。

 一方、ユーロは買いが強まり、ユーロドルは1.09台後半まで上昇。ユーロ円も上値抵抗が強かった123円台を回復してきており、123円台半ばまで上昇している。

 前日の仏大統領選TV討論会後の世論調査では、中道派のマクロン氏の優勢が覆ることはなく、市場には安心感が広がったようだ。

 また、プラートECB専務理事の発言が伝わっており、資産購入プログラム終了後も相当期間低金利を維持する方針に関して、景気動向によって変更する可能性を示唆した。理事は「相当期間と言ってはいるが、これはデータに大きく依存する」と述べていた。市場では6月のECB理事会で、ECBは出口戦略に向けてガイダンスを変更してくるのではとの期待が高まっているが、きょうの理事の発言はその期待を追認する内容と受け止めたようだ。

みんかぶ「KlugFX」 野沢卓美

Source: klug

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