7日のロンドン市場は、ポンドが軟調に推移している。ポンドドルは1.22台半ばから1.22台を割り込んでおり、1.2183近辺まで下値を広げた。1月17日以来の安値水準となっている。ポンド円は139円台前半から138.80近辺まで下押しされた。対ユーロでは上下動する場面があったが、ポンド売りが勝っており、0.86台前半から後半へと水準を上げている。
ポンド売りの背景としては、まず弱い英経済統計結果が挙げられよう。ハリファックス住宅価格は2月に前月比+0.1%と事前予想+0.4%を下回った。前回1月は-0.9%から-1.1%に下方修正された。また、東京午前に発表された2月の英BRC既存店売上高は前年比-0.4%と事前予想-0.2%よりも弱い結果だった。これで2ケ月連続のマイナスとなった。さらに、EU離脱法案を審議中の英上院において、メイ首相が多数派確保に難航しているとの観測もあるようだ。
その他主要通貨は米債利回り動向をにらみながらの取引。序盤はドル売りが先行。ドル円は113.73近辺、ユーロドルは1.0603近辺までドル安が進んだ。しかし、米債利回りが上昇するとドル高方向に転じる。ドル円は114.05近辺、ユーロドルは1.0558近辺までのドル高の動き。その後は米債利回りも方向を失っており、ドル円もユーロ円もレンジ内で推移している。
ロンドン朝方に発表された1月のドイツ製造業受注は、前月比-7.4%と事前予想-2.5%を大幅に超える落ち込みとなった。2009年1月以来の大幅低下。ただ、ドイツ経済省からは「ドイツ経済の景況感は力強く、今回の落ち込みは管理可能なもの」との見方が示されていた。ユーロ売りの反応は限定的。
この日はOECD世界経済見通しが発表された。2016年は3.6%、2017年は3.3%。2018年は3.6%と予測された。また、注目の中国については、2016年6.7%、2017年6.5%、2018年6.3%と逓減する見込み。今年については全人代の目標設定と一致した。リスク面としては、保護主義が経済予測に対する大きなリスク、中国は債務水準が成長へのリスク、と指摘された。
みんかぶ「KlugFX」 松木秀明
Source: klug
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