【NY市場】ドル円は一時111円台まで下落 後半は円高

 きょうのNY為替市場、序盤はドル売りが優勢だったものの、後半になって円買いが強まっている。ドル円は一時111円台まで下落する場面が見られた。

 来週のトランプ大統領の上下両院合同会議での演説を前に、今週はドル売り・円買いの動きが活発化した。市場はトランプ大統領の経済政策の具体的な中味を待っている。特に税制改革についてはトランプ政権から、8月までには議会を通過させたいとの発言も出ていたが、市場では難しいのではとの見方も出ている。トランプ大統領の経済政策に対する不透明感もある中、ドルは再び売りが活発化した。

 また、今週はFOMC議事録で「かなり早期」の利上げの可能性を指摘していたものの、市場は3月FOMCでの利上げはないと見ている向きが多い。確率としては20%から30%程度といったところ。米地区連銀総裁からは、3月利上げも選択肢にあるとの発言が相次いでいる。これについては3月中旬のFOMCまでに発表になる経済指標次第であろう。特にインフレ系の指標は注目となろう。

 ドル円は一時111円台まで下落したほか、クロス円も売りが強まっており、ポンド円は139円台半ばまで下落している。米株や米国債利回りは下げてはいものの、特にリスク回避の雰囲気が強まったという雰囲気ではない。来週にトランプ大統領の議会演説を控える中、円ショートを閉じる動きが日本の投資家などから出ているのかもしれない。

 ユーロ円は118円台前半まで下落。きょうの下げで100日線を下放れる動きが見られている。今週は仏大統領選とドル安・円高の逆風がユーロ円を襲った格好。週後半になって下落していた仏国債は落ち着きを取り戻しているが、ユーロ建て資産として仏国債を保有している日本の機関投資家も少なくない。年度末が接近する中、春の仏大統領選を控え、仏国債とユーロのロングを調整しておきたい日本の投資家も多いのかもしれない。

 その仏大統領選だが、仏世論研究所(Ifop)の世論調査によると、5月の第2回目の投票でマクロン氏がルペン氏に勝利する確率は61.5%だという。まだ、マクロン氏がリードといったところのようだ。

みんかぶ「KlugFX」 野沢卓美

Source: klug

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