6日のロンドン市場では、ユーロ発のリスク回避相場となっている。フランス大統領選をめぐり、有力候補のフィヨン仏大統領選候補が日本時間午前0時に記者会見をおこなうと報じられており、市場に今後の政局への不透明感を広げている。フィヨン氏については、下院議員時代に勤務実態のないペネロプ夫人に多額の給与を支払っていたとの疑惑が報じられており、支持率が低下している。
週明けのロンドン市場では、欧州株が不安定な動きをみせており、独仏株価指数は売りが先行。一時プラス圏に持ち直すも、再びマイナス圏に転落となっている。リスク動向を反映して金相場が約3ヶ月ぶりの高値水準に上昇。
為替市場ではユーロ売りを中心に、リスク回避的な円高圧力も広がりをみせている。ユーロ円は121円台を割り込むと一貫して売られ続けており、足元では120円台半ばへと水準を下げている。ユーロドルは1.07台後半から前半へと下落。序盤にポンド売りの動きが見られたものの、ユーロポンドは0.86台割れへと売られている。
ドル円は序盤に112.78近辺まで買われたが、すぐに売りに転じており、中盤には112.30割れと東京市場でつけた安値112.23レベルに接近している。クロス円も総じて軟調。ポンド円は振幅と伴いながら140円台後半から一時140円ちょうど近辺まで下落。リスク動向に敏感な豪ドル円は86円台前半から86円割れ水準へと軟化。カナダ円も86円台半ばから86円ちょうど付近へと下押しされている。
トランプ政権下の保護主義的な通商政策のなかで、ドル高へのけん制が目立っており、ユーロ相場にもその矛先がむけられている。このあとはドラギECB総裁やバイトマン独連銀総裁の発言予定があり、米国との摩擦やECBとドイツとの軋轢などが露呈するようだと、一段とリスク回避の強まる可能性には注意したい。フィヨン仏大統領候補の記者会見とともに注目される。
みんかぶ「KlugFX」 松木秀明
Source: klug
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