31日のロンドン市場は、ドル売りが優勢。序盤はポンドやユーロが下押しされたが、米債利回りの低下とともに次第にドル売り圧力がかかっている。
ポンドドルは序盤の取引で1.2769レベルまで下値を広げた。東京朝方には、英世論調査で総選挙で保守党が過半数を割り込む可能性が示されたことを受けてポンド売りが強まった。ロンドン序盤にはさらに安値を広げている。ポンド円は一時141.50割れ水準まで安値を更新。しかし、米債利回りが序盤の上昇を消して下げに転じる動きにドル売り・ポンド買いのフローが持ち込まれている。ポンドドルは一気に1.2864レベルまで買われ、東京早朝の下落分を戻した。ポンド円は142.40近辺まで反発。ただ、いずれも根強い英政治不安を打ち消すほどの動きには至っていない。
ユーロドルも買いが優勢。序盤は1.11台後半での揉み合いだったが、ポンドドルの上昇とともに1.12台乗せから1.1219近辺まで高値を伸ばしている。ユーロ円は124円を挟んだ神経質な上下動を続けている。序盤に123.75近辺まで下押しされたあと、中盤にかけては124.25近辺へと上昇。この日発表された欧州経済指標はまちまち。4月のドイツ小売売上高は前月比、前年比ともに予想外のマイナスだった。一方、5月のドイツ失業率は5.7%と過去最低水準を記録。失業者数も減少した。5月のユーロ圏消費者物価速報は前年比1.4%と前回の1.9%および事前予想1.5%を下回った。ただ、いずれにもユーロ相場は反応薄だった。
ドル円は東京午前に111.20台まで買われたあとは、一貫して売りの流れ。ロンドン序盤には111円台を下回っており、一時110.74レベルまで下押しされた。欧州株は足元で堅調に推移しているが、NY原油先物は49ドル割れと軟調。リスク動向はまちまち。米10年債利回りが2.215%近辺に低下する動きに最も敏感に反応していたようだ。
豪ドルは下げ渋り。序盤に豪ドル/ドルは0.7450割れ、豪ドル円は82.50近辺まで下押しされたが、その後は買い戻しが優勢。豪ドル/ドルは0.7460台へ、豪ドル円は82.70近辺へと反発。NY原油の下落には目立った反応を示していない。総じて材料への感度の鈍い相場展開となっている。
みんかぶ「KlugFX」 松木秀明
Source: klug
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