【NY市場】後半に買戻しもドル円は一時112円ちょうど付近まで下落

 きょうのNY為替市場、序盤はドル売りが優勢となったものの、後半になってドルは買戻しも見られた。前日のFOMC後の流れが続いているが、前日のFOMCでは特に利上げの時期や回数など具体的なヒントが示されなかったとでドルは失望売りが出ているといったところのようだ。

 元々前回と変わらないとの見方が多かったが、3月FOMCでの利上げを見込んでいたタカ派な期待は後退させた模様。CMEがFF金利先物の取引から算出しているFEDウォッチでは、3月のFOMCでの利上げの確率は13%まで低下している。米利上げ期待が一服となれば、トランプ大統領の保護主義への警戒感が相場を席巻し、ドルは売りが優勢になるといった状況のようだ。

 ただ、後半にはドルの買い戻しも見られている。明日の米雇用統計をにらんだ動きもあったのかもしれない。非農業部門雇用者数(NFP)は17.5万人増が見込まれているが、今週発表になっているADP雇用統計など関連データからすれば、20万人超は未知数だが、予想を上回る数字も期待されそうな雰囲気。それでもって年初からのドル安の流れが変わるとまでは思われないが、修正は若干入る可能性はありそうだ。

 また、トランプ大統領のコメントが伝わり、「税制改正は直ぐに実現するだろう」と述べたこともドル買戻しをフォローした面もありそうだ。米税制改正については、ライアン米下院議長のコメントが伝わっており、オバマケア廃止と再考のあとで、春以降、議題に上がる可能性を示していた。

 ドル円は朝方、112円ちょうど付近まで下落したものの、後半になって112円台後半まで戻した。ただ、明日の米雇用統計を受けても買い戻しのムードが高まらなければ、110円がターゲットになりそうな雰囲気もある。100日線も控えている。

 ユーロドルは後半に失速。朝方は1.08台まで上昇したものの、後半になって1.07台半ばまで値を落としている。いまのところECBは緩和継続姿勢を強調しており、一部で言われている量的緩和(QE)の拡大ペースの縮小観測を否定している。きょうもECB専務理事から、原油などコモディティ価格による短期的な上下動には対応しないと述べていた。

みんかぶ「KlugFX」 野沢卓美
Source: klug

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