きょうのNY為替市場はトランプ氏の会見を巡って激しく上下動した。序盤は会見への期待でドル買いが強まる展開から始まっている。ドル円もストップを巻き込んで116円台後半まで一気に上昇したが、その後、会見が始まると、話題はロシアのサイバー攻撃と自身のビジネスと大統領職との利益相反が中心で、経済政策に関しては雇用創出やメキシコの壁、そして、メキシコや中国、日本も名指しされていたが、貿易条件などに若干触れる程度であった。
市場では大型減税やインフラ整備、規制緩和などに対する具体的なヒントが出るのではとの期待が高まっていただけに、失望的な会見となった模様。
途中で一旦、記者の質疑応答が始まると再び、市場は期待を高めドル円も急速に買い戻されていたが、結局、市場が期待した内容に触れることはなかった。
市場にとっては期待外れの会見となった模様で、トランプ氏はCNNの報道を批判するなど、会見自体も険悪なムードとなっていた。なお、トランプ氏は自身のビジネスからは身を引くが、オーナーではあり続けるとしている。娘のイヴァンカ氏もビジネスから身を引く模様。
ドル円は見切売りが加速し、一気に114円台前半まで急落する場面も見られた。ただ、114円台ならばバーゲン・ハンティングとの見方から、今度は急速な押し目買いで115円台に切り返している。経済政策に関しては、20日の就任後ということになるのかもしれない。今回は表明が無かったが、期待が完全に失われたわけでは無いということなのだろう。
いずれにしろ、きょうのドル円のレンジは114.25~116.85と広く、そのうえ、短時間にそのレンジ内を複数回、激しく上下動しした。思惑と思惑がぶつかり合う激しい展開となっている。
ユーロドルも心理的節目の1.05を一旦割り込み、1.0450近辺まで下落したが、トランプ会見で1.06台まで一気に切り返す場面も見られた。
トランプ会見で切り返したが、きょうはポンドの上値が重かった印象。カーニー英中銀総裁の議会証言が行われ、ポンドを圧迫していた面もあったものと思われる。
総裁はインフレ上昇に注目し始めていることなどに言及した一方で、今年の成長は鈍化が見込まれると再表明したことからポンド売りを誘った可能性もありそうだ。
ポンドドルは一時1.20台半ばまで下落し、ポンド円は一時、140円を割り込む場面も見られた。
みんかぶ「KlugFX」 野沢卓美
Source: klug
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