きょうのNY為替市場はドル買いの動きが優勢となった。米株は下げたものの米10年債利回りは上昇しており、フラット化に若干修正の動きが出ていることがサポートした模様。
ただ、ドル円は膠着した値動きを継続。東京時間に107.50円付近まで上昇したものの108円を目指す動きまではない。その一方で下値を試す動きもなく、前日同様に上にも行けず下にも行けずの状況が続いている。
米株は下げているものの、米10年債利回りは上昇しており、ドル円にとってはポジティブな雰囲気もあるが、どうも反応は鈍い。
日米首脳会談はトランプ大統領の口撃もなく無事終了した。安倍首相は米国へのTPP復帰を促したが、トランプ大統領は2国間のFTAにこだわっており、今後も協議を継続するとして玉虫色に終わっている。
トランプ大統領の保護主義への警戒感は根強く上値を積極的に追う雰囲気ではなさそうだが、その一方で米利上げや景気の先行き期待も根強く、株式市場も落ち着きを取り戻しており、下値も底堅いといったところのようだ。
その一方で円高の動きも見られた。このところの株式市場は落ち着きを取り戻す中、ドル円と違いクロス円は上値追いが続いていた。きょうは株式の買い戻しも一服しておりダウ平均も続落する中、調整の動きが出ていたようだ。
ユーロ円は133円台まで上昇する場面も見られたが132円台半ばに下落。ポンド円はロンドン時間の上げを失っている。豪ドル円も82円台に下落。
ユーロドルは売りが強まり一時、1.2330ドル付近まで値を落としている。ロンドン時間の朝方には1.24ドルを再び試す動きも見られたものの、またも上値を拒まれている。来週はECB理事会が予定されているが、このところの経済指標が予想を下回る内容が多く、慎重に正常化を進めたいECBとしては、現段階で積極的になる理由はなさそうだ。
とはいえハト派に転じる理由もなく、ユーロドルはレンジ内の取引がもうしばらく続く可能性もありそうだ。データ待ちの面が強い。
ポンドの売りが目立った。ポンドドルは短時間に100ポイント下落し1.40ドル台に急落した。カーニー英中銀総裁が英BBCのインタビューに答えており、年内の利上げの可能性を示したものの、時期については決まっていないとの発言に敏感に反応した模様。
ポンドドルは一気に21日線を下回っており、明日以降の動きが注目される。5月の利上げ期待からポンドは上昇が続き、やや過熱感も見られていた。ただ、この3日間は続落しており完全に過熱感は消えている。一方、ポンド円も151円台前半に下落。
minkabu PRESS編集部 野沢卓美
Source: klug
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