【NY市場】ドル売り一服 連休前に短期筋の利益確定も

 きょうのNY為替市場はドル買い戻しが強まった。ただ、特段のドル買い材料は見当たらず、週末ということもあり短期筋の利益確定のショートカバーが中心だったように思われる。NY市場が明日から3連休ということもあったのかもしれない。

 ただ、ドルは依然として上値は重い印象。株式市場は落ち着きを取り戻しつつある中、米利上げ期待やインフレ警戒の高まりは残る。ドル売りのシナリオというのも違和感があるが、経済、雇用重視のトランプ政権にとっては、株高・ドル安がベストシナリオと思われることから、市場も受け入れやすいのかもしれない。

 今回のドル安だが、様々な見方が出ている。大型減税やインフラ拡大などによる財政赤字拡大への懸念や、ECBや日銀と比較してFRBの出口戦略の余力は小さい等々の理由で、長期的なドル安では一致している。しかし、財政刺激策による景気拡大やインフレ期待の高まりから、FRBの予想以上の利上げも見込まれる中、短期的にはドル高との見方もあるようだ。

 ドル円は東京時間に105.55円付近まで一時下落していたが、106円台に戻している。午後にはモラー特別検察官が米選挙中のハッキングでロシア人13人を訴追したと伝わったことをきっかけに株式市場の戻り売りが強まり、買い戻しが強まる場面も見られた。株安・ドル高の巻き返し。下げ過ぎ感も出ており、105円台に入ると押し目買いも出るようだが、上値は依然として重い印象。

 ユーロドルは一時1.23ドル台に下落する場面も見られた。東京時間に一時1.2550ドル近辺まで上昇していたが、ロンドンからNYにかけて戻り売りに押されている。直近高値を上抜いたことで達成感もあったようだ。
 
 ユーロドルの目先の下値サポートとしては、フィボナッチ50%戻しが1.2380ドル付近にあり意識される。また、1.23ドル台に入ると上値期待を高めているロング勢からの買いオーダーも活発に出る模様。

 ポンドも売りが優勢となり、ポンドドルは心理的節目の1.40ドルを一時割り込んだ。来週は英雇用統計の発表が予定されている。注目は平均賃金だが、前年比は前回とほぼ同様の伸びが見込まれている状況。英中銀は先日の金融政策委員会(MPC)で早期利上げの可能性を強調するタカ派なガイダンスを示していた。平均賃金がそれを裏付けるか注目される。
Source: klug

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です