きょうのNY為替市場はドル売りが強まっている。トランプ大統領を始めとした、トランプ政権から各国通貨政策に対する批判が相次ぎドル安が進行した。特にトランプ大統領の発言は大きかったであろう。「他国は通貨切り下げで優位に立っている。日本と中国は市場を手玉に取った」などと述べていた。トランプ大統領の口から直接、他国の金融政策に対する批判が飛び出したことから、市場も敏感に反応したようだ。やはり、トランプ政権はドル高を容認しない姿勢も感じられる。
ドル円はNY時間に入って売りが強まった。この日発表の米経済指標が予想を下回ったことや、米株の下げが続いていたこともあり、一時112.10近辺まで一気に急落した。しかし、明日のFOMCの結果発表を控えていることもあり、下値では押し目買いも見られ、急速に113円台に戻る場面も見られている。
強いサポートとなっていた112.50水準を一旦割り込んだものの、直ぐに回復したことから、まだ反転の兆しは残っているものの、下向きの圧力は依然として根強いようだ。
きょうからFOMCが始まっている。先週発表になった米GDP速報値は前期比年率換算で1.9%と2%を下回っていたが、FRBが3回と見ている年内利上げの方針に変更は無いであろう。今回はイエレン議長の会見や経済見通しの発表も無く、声明のみが手掛かりとなるが、概ね前回から変更は無くタカ派姿勢を継続する可能性も高い。
一方、ユーロは買戻しが強まり、ユーロドルは一時1.08台に上昇している。きょうの上げで一気に100日線に到達した。ロンドン時間には国家通商会議代表に選出されているナバロ委員長が「ユーロは著しく過小評価されている」との言及がユーロ相場に動揺を与えた。同委員長はドイツが他国を犠牲にして利益を得ていると非難していた。
みんかぶ「KlugFX」 野沢卓美
Source: klug
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