きょうのNY為替市場、この日の最大の注目はイエレンFRB議長の講演だった。今週に入って米地区連銀総裁の発言から市場は3月FOMCでの利上げ期待を高めていた。議長がその期待を追認するか注目されたが、「経済が予想通りなら3月利上げは適切」と議長は述べ、期待を追認する内容となった。
市場は3月利上げを確実視したようで、CMEがFF金利先物の取引から算出しているFEDウォッチでは、3月FOMCでの利上げ確率が82%まで上昇し、翌日物金利スワップ(OIS)取引から算出した確率では95%まで高まっている。
来週の米雇用統計がよほどコケない限り、3月は0.25%の利上げというシナリオになりそうだ。
ただ、為替市場の反応は逆で、ドルは講演が始まった直後こそ買いが強まったものの、事前にだいぶ織り込んでいたこともあり、動きは続かなかった。まさに「噂で買って事実で売る」といった展開となっている。
また、議長は質疑応答で「トランプ大統領の経済政策にはかなりの不確実性がある」と述べたこともドル売りを誘った可能性もありそうだ。
ドル円は講演が始まった直後は114.75付近まで上昇したものの、直ぐに戻り売りに押され、114円を割り込んでいる。115円に届かなかったことから、短期筋が一旦見切り売りを入れたようだ。
一方、ユーロドルは買戻しが強まり、1.06台を回復。仏大統領選の世論調査で、マクロン氏とルペン氏の支持率の差が拡大したこともユーロの買い戻しを誘っている。また、ユーロ円も121円台まで上昇。ドル円は上値が重かったものの、米株が底堅く推移したこともあり、円高の動きまではなかったようだ。
みんかぶ「KlugFX」 野沢卓美
Source: klug
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