きょうのNY為替市場はリスク回避の雰囲気が強まった。米株式市場でダウ平均の下げ幅が700ドルを超えるなど急落する中、為替市場は円高が強まった。前日のFOMCを通過して改めて米中貿易摩擦やフェイスブック問題を発端としたIT規制強化への懸念に市場の目が移っている模様。
ドル円は一時105.25円付近まで下落する場面も見られた。トランプ大統領は年間500億ドル相当の中国からの輸入に対して知財侵害関税賦課の大統領令に署名した。最大600億ドルに拡大する可能性もある。ただ、関税賦課は産業界や議員の意見も取り入れてかから実施され交渉の余地は残している。
これに対して中国も対抗措置を用意しているとも伝わっており、世界貿易機関(WTO)に提訴する用意があるという。しかし、同時に対話の可能性も模索したいとしていた。
ドル円は中盤には一旦下げ渋る動きも見られ105円台後半に戻していたが、終盤にかけて再び105円台前半に下落している。
ユーロドルはロンドン時間の流れを引き継いで戻り売りが優勢となり、1.23ドルちょうど近辺まで下落。前日のFOMCとパウエルFRB議長の会見を受けてドル売りが優勢となり、ユーロドルは買い戻しが優勢となっていた。本日のロンドン時間には1.23ドル台後半まで上昇していたが、市場がリスク回避の雰囲気を強める中、戻り売りに押されている格好。
また、この日発表になったユーロ圏PMIが1年2ヵ月ぶりの低水準に落ち込んだことも圧迫。サプライチェーンのボトルネックや原材料不足、労働者不足も生産を圧迫しているようだ。需要に追いついていないことからストレスが高まっていることが示されている。決して先行きの停滞によるセンチメントの落ち込みではないようだ。
1.23ドルちょうど付近にはオプションに絡んだ買いオーダーも観測されており、いまのところサポートとなっている。
ユーロ円は130円を割り込み129円台半ばまで下落する場面も見られた。きょうの下げで21日線を下放れしており、リバウンド相場への期待は一旦後退している状況。目先は3月5日安値の129.35円付近が下値サポートとして意識される。
ポンド円も148円台に下落し、150円台から下放れしている。
minkabu PRESS編集部 野沢卓美
Source: klug
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