【NY市場】ドル売り優勢もドル円は一時113円台に上昇

 きょうのNY為替市場、ドル買いの動きは一服していたものの、ドル円は米国債利回りの上昇と伴に一時113円台まで上昇した。朝方発表になった米住宅指標は予想を下回る内容となったものの、ハリケーンのノイズとの受け止めからネガティブは反応は見せていない。

 今週日曜日に投開票が行われる衆議院選では、安倍政権が磐石な体制を維持しそうな情勢。北朝鮮問題も小康状態となっていることから、リスク回避の円高圧力はない。

 本日のドル円が上昇した明確な理由は見当たらないが、世界経済への先行き期待などから実需買いが押し上げたものと見られる。

 次期FRB議長の人事に市場の関心が集まっている。前日はテイラー氏が優勢との報道も流れていた。トランプ大統領は19日にイエレン議長とも面談を行う予定だが、こればかりはトランプ大統領次第なので未知数。ただ、市場では来年以降のFOMCはタカ派色が強まるのではとの見方も出ているようだ。ホワイトハウスのサンダース報道官は、数日以内に発表されるだろうと述べていた。

 ドル円はこのところの戻り売り圧力の強まりから、10日線と21日線のデットクロスが示現している。ただ、きょうの上げで21日線を一気に回復しており、デットクロスがダマシになるか注目される。

 一方、ユーロドルは買い戻しが強まった。ロンドン時間に一時1.1730近辺まで下落していたものの、前日に引続き1.17台は維持されており、NY時間に入ってショートカバーを強めている。1.1780から1.18にかけて売りオーダーも観測されていたが、ストップを巻き込んで一時1.18台を回復。

 スペイン政府がカタルーニャ州の自治権を停止する期限である明日に向けて慎重な動きも見られているが、カタルーニャ州のプッチデモン首相は何らかの妥協案を提出するとの楽観的な見方もあるようだ。

 ポンドもNY時間に入って買い戻しが強まった。ポンドドルは1.32台に上昇し、ポンド円も149円台を回復。ただ、上値ではポンドの対ドルでの売りを推奨する声も出ている。米税制改革でドル高への期待が高まることが予想されるなか、英政治や英実体経済のリスクがポンドの重しとなると見ているようだ。

 これまでドルはキャリー取引の通貨として好まれ、調達したドルを売って他の通貨に投資する動きが頻繁に見られていたが、税制改革によりドル金利が上昇する可能性があり、資金調達通貨としてドルを売る流れが弱まり、ドルを押し上げる可能性があるという。一方、英国の財政赤字は高水準で、米国の金利上昇がポンドの重しとなる可能性があるという。

 もし、ポンドドルが日足ベースで1.2990より下にブレイクするようであれば、1.25までの下げのあり得ると見ているようだ。

minkabu PRESS編集部 野沢卓美

Source: klug

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