きょうのNY為替市場もドル売りが優勢となった。トランプ相場にも一服感が出てきており調整の動きが続いているようだ。米議会で共和党の保守派の反対もあり、オバマケア代替法案の可決が見通せない中、税制改革や金融規制改革、そして、インフラ投資などトランプ大統領の経済政策の実現に対する疑問が強まっている。オバマケア代替法案が成立しなければ税制改革へは着手できない。
米国債利回りも下げが続き、株価も上値が重い中、ドル円は一時110.75付近まで下落している。きょうの米10年債利回りは一時2.37%台まで低下したが、FRBは先日のFOMCで年内あと2回の利上げを予想していた。市場には失望感も広がったが、それでも現在の米国債利回りの水準はやや低いようには思われる。ただ、調整ということであれば、その動きが収束するのを待つしかないのかもしれないが。
一方、ユーロドルは伸び悩む動きも見せたものの、しっかりとした動きを続けている。トランプ相場への期待が一服する中、ユーロの見直し買いが優勢となっている。ユーロ圏の政治的な不透明感から、年内にはパリティ(1.00)までの下落も見込まれていた。しかし、先日のオランダ総選挙でも与党が勝利し、保護主義を主張する政権誕生への警戒感は一服してきている。また、フランス大統領選でもマクロン氏の優勢が続いていることも安心感を呼んでいるようだ。また、ECBの出口戦略への期待感も高まってきており、ユーロのフォローとなっている。
1.0820付近で上値を拒まれているが、突破するようであれば、200日線が控える1.08台後半の水準を一気に試しそうな気配もある。
ポンドドルはロンドン時間からの流れで売り優勢でNY時間に入ってきたが、後半にかけ下げを取り戻している。英国会議事堂前でテロが発生し、4人が死者したほか、負傷者も多数出た。ナイフを所持した男が警官を刺したほか、同時に議事堂近くのテムズ川にかかるウェストミンスター橋の道路で自動車が暴走し通行人を次々にはねた模様。
事件発生のニュースが伝わった直後はポンド売りの反応も見られたが、反応は一時的に留まっている。ポンドドルは1.24ドル台前半まで下落後、1.24台後半に戻す展開。
みんかぶ「KlugFX」 野沢卓美
Source: klug
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