【ロンドン市場】ドル売り優勢、イベント控えて調整ムード

 17日のロンドン市場は、ドル売りが優勢。きょうはNYタイムにイベントが集中しており、トランプ相場にやや調整ムードが広がっている。米消費者物価、住宅指標、新規失業保険申請、ファラデルフィア連銀景況指数など一連の米経済指標が発表されるほか、イエレンFRB議長の議会証言、さらに安倍首相とトランプ次期大統領の会談などが実施される。

 為替市場では米債利回り動向をにらんだ展開になっており、ロンドン序盤から中盤にかけては利回り低下でドル売りが優勢だった。特に欧州通貨でその動きが顕著。

 ポンドドルは1.24台前半から一時1.25台乗せ。10月の英小売売上高が前月比+1.9%と事前予想+0.5%を大幅に上回り、素直にポンド買いが進んだ。ポンド円は136.43レベルに本日の高値を伸ばした。

ユーロドルは序盤に1.0680近辺まで下押ししたあとは、1.07台乗せから1.0739レベルまで高値を伸ばした。メルシュECB専務理事は、刺激策は一時的なもの、できるだけ早期に解除すべき、との見解を示した。ユーロ円は117円台乗せへとジリ高。

 ドル円は109円を挟んだ上下動が続いている。ロンドン早朝には109.46レベルに本日の高値を伸ばす動き。この日は東京午前に日銀が指値オペのオファーを通告しており、円安材料と捉えられていた。ただ、買いも続かず。

 NY序盤にかけては米債利回りの低下も一服しており、イベント待ちムードが広がっている。市場での米12月利上げ確率は約9割となっており、関心は今後の利上げペースに移っている。きょうのイエレンFRB議長の議会証言が来年についても言及するかどうかが注目される。トランプ政権への期待で債券利回りが急上昇した経緯があり、利上げペースが加速するとの市場の思惑もある。ただ、新政権ではイエレン議長の続投が難しいとの見方も一部にはあるようで、今後の金融政策運営には不透明感が広がる面も。
 
みんかぶ「KlugFX」 松木秀明
Source: klug

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