26日のロンドン市場は、ドル円は111円台後半へと上昇している。欧州銀をめぐる不安材料が払拭されたことがリスク回避の動きの巻き返しを誘っている。週末にイタリアの2中小銀の破綻処理を政府が決定と報じられた。約2兆円規模の資金がつぎ込まれることで批判があるものの、投資家の負担が回避されたことが欧州株式市場では好感されている。イタリアMIB指数は一時1.5%超高となり、その他各国の株価指数も銀行株主導で買われている。また、取引序盤にはNY原油先物の上昇を好感して資源関連株買いも入った。
ドル円は東京タイムには111円台前半での揉み合いが続いたが、ロンドン早朝からは円安方向への動意を見せ始めた。111.50レベルを上回ると騰勢を強めて、一時111.71レベルまで高値を伸ばした。クロス円も総じて堅調。ユーロ円は124.98レベル、ポンド円は142.35レベル、豪ドル円は84.61レベルまでそれぞれ高値を伸ばした。
序盤の円売りが一巡すると、米債利回りの上昇に反応してドル買いの動きも見られている。ドル円が111.60-70レベルに高止まりとなるなかで、ユーロドルは1.12台乗せ水準から1.1175近辺へと反落。ポンドドルは1.27台後半から1.27割れ目前まで反落。豪ドル/ドルは0.7590近辺まで買われたあとは0.7560台まで反落。
この日は英保守党とDUPが閣外協力で正式に合意した。発表後はポンド買いの反応がみられたが、取引序盤に神経質な上下動を見せたポンド相場は上値を広げるには至っていない。ポンドドルは1.27台前半から半ばでの振幅。ポンド円は142円挟み出の上下動。方向感には欠けている。両党の閣外協力については英総選挙後に数週間にわたり続けられたもので、やや遅きに失した面もある。かろうじて過半数は維持されることとなったが、今後の議会運営にはまだ不透明感も残っているようだ。
この日発表された6月のドイツIfo景況感指数は115.1と事前予想114.5や前回5月114.6を上回り、1991年以来の最高水準を記録した。ドイツ経済の好調ぶりが示されている。ただ、事前に買われていたユーロ相場は、発表後は伸びを欠く動きに。
みんかぶ「KlugFX」 松木秀明
Source: klug
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