【ロンドン市場】ドルが一段安、対ユーロや対ポンドでの動き主導

 21日のロンドン市場は、ドル安が一段と進んでいる。ドル指数は2月6日以来の低水準となっており、節目の100を割り込んでいる。ユーロドルやポンドドルの上昇が相場を主導。

 ユーロドルは1.0760近辺から1.08台へ乗せてきている。昨日の仏大統領選のテレビ討論会でマクロン氏が優勢との評価だったことがユーロ買いを誘っている。ルペン氏は他の参加者らから集中砲火を浴びたという。ドイツとフランスの10年国債利回り格差は65bpへと縮小しており、仏大統領選をめぐる不透明感がやや後退。ユーロ円は序盤に121.84レベルまで上昇、その後は買い一服も121円台半ばではサポートされている。

 ポンドドルはユーロにやや遅れての上昇。この日発表された2月の英消費者物価指数が前年比+2.3%、コア前年比+2.0%といずれも予想を上回り、英中銀ターゲットに達したことが背景。直近の英金融政策委員会での利上げ票もあって、インフレ上昇に敏感に反応した。ポンドドルは1.23台半ばから1.2474近辺まで大幅上昇。ポンド円は139円台前半から140.40近辺へと上昇、その後も140円台を維持している。

 ドル円は引き続き112円台での神経質な上下動。東京市場では112.27近辺まで下落も、その後は112円台後半へと反発していた。ロンドン市場では序盤に112.87近辺まで高値を伸ばした後は上値が重くなっている。足元では112.40-50レベルまでの反落。欧州株は小幅上昇、NY原油先物も堅調に推移しており、米債利回りも上昇。リスク動向は改善しているが、ドル円相場は方向性に欠けている。

 豪ドルは堅調。東京市場では豪中銀議事録で、豪ドルの上昇は経済回復の推移を複雑なものとする可能性、と指摘されたことが豪ドル売りを誘っていた。豪ドルはリスク動向に素直に反応。豪ドル/ドルは0.77ちょうど近辺から0.7740近辺へ、豪ドル円は86.80台から87円台乗せへと反発している。

みんかぶ「KlugFX」 松木秀明
Source: klug

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