Blockstreamがライトニング・トランザクションに成功

先週、BlockstreamのエンジニアであるPaul “Rusty” Russell氏とChristian Decker博士がビットコインのテストネットにおいて同社初のライトニング・トランザクションを成功させた。このテスト・トランザクションはBlockstreamの最新バージョンのライトニング・プロトコル・ソフトウェアであるライトニング0.5を用いて達成され、ウェブ店舗においてデジタルな購入処理を行った。

 

Decker氏はBitcoin Magazineの取材に対して「これは私たちにとって大きなマイルストーンとなった。今回の取り組みは私たちが初めて構築した現実のブロックチェーンを用いたチャネルであり、デジタル商品の支払いが第3のノードを通してノードからノードに受け渡される初めてのマルチホップ・トランザクションでもある」と話している。

 

ライトニング・ネットワークが期待される理由

 

ライトニング・ネットワークとはビットコインブロックチェーン上に構築される二次レイヤーのプロトコルである。ビットコインのプログラムで可能な要素(例えばマルチシグやタイムロック)をうまく利用することで、ライトニングユーザーは低コストで無制限のオフチェーン・トランザクションを行うことができる。これは、ビットコインの少額決済能力と全体的なスケーラビリティを促進する可能性を秘めており非常に注目されている。

 

現在、いくつかのチームがライトニング・ソフトウェアの異なる実装に取り組んでいる。先々週だけでも、BitFury、Lightning LabsとACINQがライトニング・ルーティング・システムであるFlareを用いたテストの成功を発表した。Flareは、Lightning Labsの開発者が以前完成させたライトニング・トランザクションである。一方でブロックチェーンは、まだ信頼性と安全性の面で不安は残るもののThunder Networkのアルファバージョンでライトニングのようなスタイルのトランザクションを成功させている。

 

Blockstreamのチームはビットコインのテストネット上で、実際の支払いと同じ意味を持つ二人の開発者間における信頼の不要なトランザクションに成功した。

 

「私たちはこのプロトコルのさまざまなパーツのために一年以上を費やしており、それらを組み合わせることはそれほど難しいことではなかった。」とRussell氏は説明する。「このトランザクションのために、私は実際のベンダーのように振る舞い、Christian氏が実際の購入を行った。そこには請求書を作成するインフラや、それをユーザーに送付し、ユーザーが支払いを行ったかどうかをチェックすることも含まれる。私たちは、単にある点からある点に送金を行っただけというわけではない」

 

テストネットの使用

 

Blockstreamの初めてのトランザクションはテストネットで行われた。このネットワークは新しいビットコインの機能をテストするために設計されたものだ。テストネットには、ライトニングネットワークを安全で信頼を不要とするような方法で機能させることのできるセグリゲイティッド・ウィットネス(Segwit)も展開されている。

 

「このテストネットのリリースは、ウォレットの開発者のようにライトニング上にソフトウェアを構築したいと考える人々がAPIを試しそれに対するフィードバックを行ったり不具合を報告したりする機会を提供する」とRussell氏は言う。「ソースコード上において、テストネットから実際のビットコインネットワークへの移行は非常に簡単である。それらの違いは、実際のビットコインネットワークで失敗があれば実際の金銭的損失につながるという点だ」

 

ライトニング・ネットワークによるトランザクションの生成は依然として非常に手作業的なプロセスである。最も重要なことは、ユーザーがその他のノードのIPアドレスと接続を行う必要があるという点である。しかし、Decker氏は既にこのようなプロセスを容易にするために接続情報をアナウンスするパッチを作成したと述べている。

 

「私たちのルーティングの実装は全ての接続情報を知ることに依存する。今のところそれは機能しているが、BitFuryのFlareのようにもっと野心的な機能に関する取り組みが行われている」とRussell氏は言う。さらに、より厳重なプライバシーのためのオニオン・ルーティングに対する取り組みも行われており、この機能は来るライトニング0.5のリリースに含まれるかもしれない。

 

スケーリングの包含

 

ライトニングはしばしばビットコインのスケーラビリティのための重要なステップだと触れ込まれている。このトピックについては先週末ミラノで開催されたScaling Bitcoinワークショップにおいても議論が行われた。このワークショップの数日後には、ライトニングの様々な実装方法に取り組むいくつかのチームが集まり、互換性について議論を行う。

 

テストは成功したが、Russell氏とDecker氏はライトニング・トランザクションがビットコインのメインネットワークに展開されるまでにはまだ時間がかかるだろうと説明する。ライトニングがメインネットワークに展開される前に、Segwitが先に有効化される必要があり、ライトニングの不具合の検出および改修が行われなければならない。また、設定の失敗に対する堅牢性も備える必要がある。その上で、Blockstreamのチームは開発者たちが彼らのユースケースを試すためのライブラリを実装したいと考えている。

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Source: Coin Portal

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