ビットコイン週間概況‐10/28~11/3

日本円 米ドル
価格(11/3終値) 76,321円 740.44米ドル
時価総額 12,185億円 118億米ドル
10/28~11/3の4本値
始値 高値 安値 終値
72,420円 78,300円 72,290円 76,321円
1106_glenn

週間概況と最近の話題

11月3日(木)までのビットコインの価格は強気相場が続き、4ヶ月半ぶりの高値となりました。

先週の記事では、価格上昇は中国人民元の継続した下落が原因と見られていましたが、価格が急激に上がったため、短期的には調整が予想されました。しかし、先週Segregated Witness(SegWit)というパッチを含むBitcoin Version 0.13.1 Finalという新しいビットコイン・コアコードが公開され、このSegWitがビットコインにつきまとっていたスケーラビリティの問題に対応しているため、ビットコインの価格はさらに上昇を続けることとなりました。

SegWitパッチが発表される前は、ブロックチェーンの大きさは1MBに限定されていました。つい最近まで、取引の数は限度である1MBを大きく下回っていたため問題ではありませんでした。しかし、ビットコインが商品やサービスの決済に頻繁に使われるようになり、1MBの上限が問題になり始めました。今回、SegWitが公表されたことにより、これが導入されればブロックの中の取引に割り当てられる容量が70%以上に増加されることになります。ビットコインの開発者たちは、これは実質的にブロックサイズを1.6MBから2.0MBに増やすことに相当すると考えています。

公開から数日間で14%のビットコインノードがSegwitに対応していますが、どんなソフトフォークもそうであるように、ハッシュパワーの95%が作動に必要です。この点について、アナリストは導入に楽観的であり、早くて2016年12月の半ばまでにも新しい機能が作動すると考えています。

しかし、スケーリング問題については2つの点で着目しなければなりません。一点目は、スケーラビリティが主な議題となっていましたが、トレーダーの心理の反映である価格変動への影響は限定的でした。二点目は、Segwitは最終的な解決ではなく、これはスケーリングの議論を解決せずブロックサイズを増やすためにはどうすればよいかという決断を先延ばしただけということです。しかし、Segwitは公開後、即座に継続した価格上昇が見られ、これはトレーダーが少なくとも短期中期的に意味あるものと受け止めたという解釈になるものです。

対照的に、時価総額で見た時に2番目に大きい仮想通貨イーサリアムは、最近とても難しい局面にあります。イーサリアム(ETH)とイーサリアムクラシック(ETC)は不確実性があり、週を通して下落してきています。ETHは週を越えてDDoS攻撃の中6%下落し、ETCは同じ問題を止めるためにハードフォークを実行したことで4.6%下落しました。

繰り返し攻撃されているイーサリアムは、トレーダー達にとっては悪く映り、価格下落という結果を招きました。そしてさらに、特定のスマートコントラクトに影響するイーサリアムのプログラミング言語にバグが見つかりました。イーサリアムはアプリケーションがプログラムされた通りに動くと約束しているため、影響を受けたコントラクトのほとんどは取り消したり変更したりできません。

これはトレーダーがイーサリアムを離れ、代わりにビットコインに集中することにつながっています。結果として、比較的簡単に75,000を越えましたが、ビットコイン価格のさらなる上値が見られるでしょうか。

 

過去の価格との比較

日付 価格 価格差 変化率
2016/11/3(基準日) 76,321円
2016/11/2(1日前) 75,880円 441円 0.58%
2016/10/27(1週間前) 72,420円 3,901円 5.39%
2016/10/3(1ヶ月前) 62,267円 14,054円 22.57%
2016/8/3(3ヶ月前) 55,689円 20,632円 37.05%
2016/5/3(6ヶ月前) 47,805円 28,516 59.65%
2015/11/3(12ヶ月前) 47,539円 28,782円 60.54%

Prices provided by bitFlyer

【執筆者】グレン・ランバート(Glenn Lambert)。ニュージーランド出身。2002年に来日し、英国を本拠とするADVFNの日本法人でマネージャーとして従事。FX,株式などの分析ツールのほか、著名レポートも配信している。

【免責事項】当サイトで提供しているビットコインの相場情報等のコンテンツは、執筆者の個人的見解に過ぎず、執筆者及び当社がその内容の正確性および安全性を保証するものではありません。また、かかる情報は、参考となる情報の提供を目的としたものにすぎず、仮想通貨に関して、特定の投資行動や運用手法を推奨するものではありません。投資に関する最終決定はお客様ご自身の判断でお願いします。 なお、投資によって発生する損益は、すべて投資家の皆様へ帰属します。 当該情報に基づいて被ったいかなる損害についても、執筆者及び当社は責任を負いません。

Source: ビットフライヤー

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です