【ロンドン市場】米雇用統計待ち、ポンドは依然上値重い

 7日のロンドン市場は、全般に米雇用統計待ちで揉み合い。ドル円は103円台後半、ユーロ円は115円台半ばでの取引に終始している。取引中盤にかけてはレンジ内でややドル売り方向に調整が入っている。ユーロドルは1.11台前半での取引のなかでの下げ渋り。米10年債利回りが1.69%付近で小幅の振幅となっており、ドル相場もその動きに神経質になっている。このあとは、米雇用統計に加えて、複数の米金融当局者の講演・発言予定が日本時間あす早朝にかけて相次ぐ、米雇用統計の結果を踏まえて11月を含めて年内利上げにどのような見解を示すのかが注目されよう。

 ポンドは東京早朝の「フラッシュ・クラッシュ」相場からは落ち着きを取り戻しつつある。英中銀は急速な値動きについて調査中としていた。ポンド相場はロンドン序盤に急落後の戻り高値を確認している。ポンドドルは1.2475近辺、ポンド円は129.60近辺など。その後は再び上値が重くなり、ポンドドルは1.24割れ、1.23割れと大台を塗り替えて一時1.2220近辺まで下押し。ポンド円も129円割れから127円も割り込んで126.75近辺まで下落した。ただ、NY序盤にかけては売りも一服。やや広めのレンジの中で揉み合っている。

 日本時間午後3時に発表された8月の独鉱工業生産は前月比+2.5%と市場予想+1.0%を大幅に上回る伸びだった。今年1月以来の高い伸び率。投資財と消費財が伸びを牽引。建設は減少していた。8月の英鉱工業生産は前月比-0.4%と予想および前回の+0.1%から下振れした。8月の英商品貿易収支は121.12億ポンド赤字と事前予想112.50億ポンド赤字を上回る赤字幅だった。いずれにも発表直後のユーロ矢ポンドの反応は鈍かった。

 欧州株は英国と欧州大陸で値動きの差異が鮮明。歴史的なポンド安相場が続いていることで、英FT指数は買いが先行。一方で、独仏株など欧州大陸勢の市場は米雇用統計や週末調整に押されて軟調。商品相場では、NY原油先物が一時50ドル割れと神経質。ただ、足元では50ドル台を回復しており、買いの流れは継続している。

みんかぶ「KlugFX」 松木秀明
Source: klug

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