【NY市場】引続きドル買い優勢でドル円は104円台に上昇

 きょうのNY為替市場は引続きドル買いが優勢となった。きょうの米新規失業保険申請件数も予想を下回るなど、今週発表になっている製造業やサービス業のISM指数をはじめ、予想を上回る内容が相次いでおり、明日の米雇用統計を前に市場は年内利上げ期待を高めている。

 12月利上げがメインシナリオではあるが、FOMCメンバーである米地区連銀総裁の中には11月利上げの可能性も言及しており、そうなると年内2回の可能性も出てくる。

 緩やかな利上げを主張しているメンバーが多いことから、その可能性はまだ低いように思われるが、市場もリスクは意識している模様。いずれにしろ、明日の米雇用統計を確認してからということになりそうだ。

 ドル円は104円台に上昇。きょうの上昇で100日線を上回ってきており、チャートは10日線と21日線のゴールデンクロスを示現しそうだ。米景気の先行きに対する不透明感は根強く、ドル円の予想を下向きに見ている向きは依然として多い。

 このままドル円の買い戻しが続くかどうかは未知数だが、今週発表になっている米指標に敬意を払う動きが続いているようだ。目先は9月2日の高値104.30近辺が上値メドとして意識される。

 ユーロドルは一本調子での戻り売りが続いた。1.1140近辺まで一時下落している。ECBの量的緩和(QE)縮小への観測が市場に広まっているが、きょうはコンスタンシオECB副総裁のインタビューが伝わっており、副総裁はQEのタイムテーブルについては協議していないと述べていた。

 ポンドは31年ぶりの安値更新が続いている。ポンドドルは一時1.26ちょうど付近まで下落。EU単一市場へのアクセス制限を受け入れ、移民制限をするハード・ブレグジットへの懸念が引続きポンドを押し下げている。

 一方、英国債が売られており利回りが上昇。ポンド安によるインフレ期待の高まりもあるが、財政刺激への期待も高まっているようだ。メイ英首相は英中銀の金融刺激策の副作用を懸念しており、成長押し上げに新たなアプローチが必要との見方を示していた。インフラ投資など財政拡大への期待が高まっているが、来月の11月23日にハモンド財務相の予算演説が注目される。

みんかぶ「KlugFX」 野沢卓美
Source: klug

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