【ロンドン市場】ポンドドルが31年来の安値水準に

 4日のロンドン市場は、ポンド相場主導の展開。昨日に続きポンドが一段安となっている。先週末にメイ英首相が来年3月までにEU離脱手続きに入ると宣言したことがポンド売り方向に動意を強めた格好。

 ポンドドルはロンドン序盤から売られ、1.28割れから1.2737レベルまで下値を広げた。7月6日安値を下抜けるとともに、年初来安値を更新。1985年以来、約31年ぶりの安値水準となった。対円では一時130円台前半、対ユーロでもポンド売りが進行し、ポンドは全面安になっている。市場では「ハード・ブレグジット」を警戒する論調が多くなってきている。

 この日発表された9月の英建設業PMIは52.3と予想49.0や前回49.2を上回り、改善の動きを示した。ただ、ポンド買いの反応は一時的に留まっていた。また、ポンド安を好感して英FT指数は7100ポイントの大台乗せ。終値ベースでの最高値を上回る場面もあった。ただ、円建てや米ドル建てでのパフォーマンスはいずれも年初来マイナス圏。海外投資家にとっては買いにくい状況になっている。

 その他主要通貨にはドル高の動きが波及している。ユーロドルはポンドドルに連れ安となり1.1151近辺まで下押し。ユーロ円は114円台前半でやや売りが優勢。三連休明けの独DAX指数は買われているが、独銀行株の上げは限定的。一角はマイナス圏に沈んでいる。欧州にとっても不安材料は残っている状況。プラートECB専務理事は「金融政策には銀行システムの弾力性が重要なポイント」と指摘していた。

 ドル円はジリ高。東京午後の下げ局面では102円は維持されており、ロンドン序盤には102.49レベルまで高値を伸ばした。102円台半ばには相応の売り注文が控えているもようだが、下値も堅い。欧州通貨に売り圧力が掛かる分、米ドルには底堅さがみられている。ドル指数は約2週間ぶりの高水準となっている。

みんかぶ「KlugFX」 松木秀明
Source: klug

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