きょうのNY為替市場はドル売りが優勢となり、ドル円は107円台前半で推移した。週末に米英仏によるシリア攻撃が実施されたが、市場では短期的な軍事行動との見方からネガティブな雰囲気は高まっていない。トランプ大統領が「任務は完了した」とツイートしたことや、ジョンソン英外相も「シリアの化学兵器施設に対する攻撃は1回限り」と発言したこともサポート。
朝方は株高を期待した買いも入り107.40円近辺まで上昇したものの上値を追う気配までは見られていない。市場は明日からの日米首脳会談への警戒感もあるようだ。会談では北朝鮮問題が主な議題になると思われるが、通商問題にも話が及ぶ可能性も警戒している模様。トランプ大統領は中国とロシアは通貨切り下げゲームをしていると述べていたが、通商問題や安全保障に関する大統領の発言に敏感になっている。日本は関税措置の適用除外にはなっていない。
下値は10日線が106.95円付近にあり、上値は先週末の高値が107.80円付近にあり意識される。
なお、この日発表になった米小売売上高やNY連銀指数への反応は限定的だった。
一方、ドル安がやや優勢となる中、ユーロドルは買い戻しが出ており、一時1.2390ドル付近まで上昇。しかし、1.24ドル台を試す動きまでは見せず伸び悩む展開。21日線を上抜ける動きも出ているが、2月以降続いている1.22ドルから1.25ドルのレンジを抜けそうな気配まではない。
年内1.30ドルまで上昇との見方もあるものの、直近の経済指標が回復一服の気配も見せていることもあり、積極的に上値を試す動きまでは見られていない模様。
米中貿易戦争の行方が気掛かりなところではあるが、エスカレートした場合でも、ユーロ圏企業にとってはそれにより新たな輸出の機会も創出され、特にユーロ圏の主要国には恩恵もあるのではとの指摘もあるようだ。
ポンドの上昇がきょうも目立った。ポンドドルは1.43ドル台に上昇し、1月に付けた年初来高値1.4345ドルをうかがう展開となっている。ポンド円も153.75円付近まで一時上昇した。5月の利上げ期待も根強くポンドに関しては更なる上値期待も出ている。英EU離脱に関しては既に織り込まれており、ソフト・ブレグジットであれば、ポンドドルは年内1.50ドルの可能性も一部からは指摘されているようだ。
minkabu PRESS編集部 野沢卓美
Source: klug
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