きょうのNY為替市場、NY時間に入ってドル買いが強まった。この日発表の米経済指標が強い内容だったことや、ドルの短期金利上昇が続いており、ドルをサポートしているとの指摘も聞かれる。
米国債利回りや米株、原油も上昇する中、ドル円は106円台を回復。今週はトランプ政権の不安定さがリスク回避の雰囲気を高めており、今度はマクマスター大統領補佐官(国家安全保障問題担当)を解任する方針との報道も伝わっていた。コーン、ティラーソンと立て続けに解任が伝えられたことから、市場もトランプ大統領の政権運営に不安を強めている。ドル円も一時105.60円付近まで下落していたが、NY時間に入って106.20円付近まで戻す動き。
一方、ユーロドルは売りが優勢。サポートれていた1.23ドルをブレイクしており、一時1.2260ドルまで下落した。きょうの下げで21日線を下放れる展開が見られており、小さなダブルトップを形成しそうだ。目先は1.22ドルちょうどの水準が下値サポートとして意識される。その水準を割り込むようであれば、心理的節目の1.20ドルが視野に入る動きも想定され、下値警戒感も高まっている。
きょうは2月のユーロ圏消費者物価指数(CPI)の確報値が発表になっていたが、食品・エネルギーを除いたコア指数は前年比1.0%と前回と変わらずとなった。少なくともインフレ上昇の兆候までは足元は見せておらず、ドラギECB総裁の慎重姿勢を裏付ける内容ではある。6月までECBは何も動きはないものと見られている。
ユーロ円は130円台前半で推移。NY時間に入ってドル円が買い戻されたことからユーロ円も130円台は維持されている。ただ、上値は重い印象。今週の下げでユーロ円は上値へのモメンタムを一旦失っており下値模索の展開となっている。心理的節目の130円付近には本邦勢の買いオーダーも観測されているようだが、その水準をブレイクするようであれば、今月の安値129.35円付近が意識される。
ポンドドルはここ数日のレンジ下限をブレイクし一時1.38ドル台に下落。ただ、買い戻しも見られ1.39ドル台は維持している。ポンドについては来週の英中銀金融政策委員会(MPC)とEU首脳会議待ちの面が強い。
minkabu PRESS編集部 野沢卓美
Source: klug
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