28日のロンドン市場は、ポンドが下落している。取引中盤になって、英EU離脱交渉が暗礁に乗り上げていることが表面化したことがポンド売りを広げている。バルニエEU交渉官が、離脱条約の最初の草案を提出した。市民の権利が擁護されるとの英国との合意に沿ったもので、サプライズは無い、としている。ただ、英国側には容認できない内容も多く含まれているもよう。メイ英首相は、英首相が誰であってもEUの草案文書には同意しない、と明確に拒否した。ポンドドルは1.39台を挟んだ取引から下放れて、1.3810台へと安値を広げている。ポンド円も148円台後半から147.70近辺に安値を広げている。いずれも直近の安値を割り込んでおり、ロングの投売りを誘った面もあるもよう。
その他主要通貨では円買いが優勢。序盤は売買が交錯したが、ポンドの下落をきっかけにドル円、クロス円ともに下押しされている。ドル円は序盤の下げでは107円ちょうど近辺でサポートされたが、戻りは107.25近辺までと限定的。取引中盤に107円ちょうど近辺の買いをこなして106.93レベルに安値を広げた。ユーロ円は131円台後半での取引が続くなかで上値が重くなっている。取引中盤には安値を130.59レベルまで広げた。
ドル相場はまちまち。ポンドは対ドルで売られているが、豪ドルは買いが優勢。豪ドル/ドルは0.78台を回復し、0.7820付近へとじり高。ユーロドルは前日からの安値を1.2199レベルまで広げたが、下値も堅く1.22台前半に落ち着いている。全般的には前日のパウエル米FRB議長の下院証言を受けたドル買いの流れに大きな変化はみられていない。
この日発表されたフランスCPIや消費支出が弱い内容となり、ユーロ圏CPI速報も予想通りとはいえ前年比+1.2%と前回の+1.3%からは伸びが鈍化していた。ユーロは、ポンドほどではないが、上値を抑えられている。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
Source: klug
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